勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

コンフォートゾーン外の学びの為にエンジニアが放送大学に入学してみた

タイトルで言い切った感があるけれど、この春から放送大学に入学して哲学と美術について勉強を始めている。現時点でかなり満足度が高いのでご紹介。興味を持った人は10月入学目指して情報収集すると良さそう。

www.ouj.ac.jp

入学経緯1:教養分野の知識に興味があった

一応、私立理系大学は卒業している。かつ、学生当時に一般教養の単位は取得している(はず)。だがまったく記憶が残っていない。当時は当然ながら一般教養科目には興味もなく、真面目に勉強してこなかった(そもそも出席していたのかも怪しい)。そんな自分が一般教養に改めて興味を持ったのは、例えばこんな本を読んだからである。

グローバル企業が世界的に著名なアートスクールに幹部候補を送り込む、あるいはニューヨークやロンドンの知的専門職が、早朝のギャラリートークに参加するのは、 虚仮威しの教養を身につけるためではありません。彼らは極めて功利的な目的のために「美意識」を鍛えている。なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない、ということをよくわかっているからです。

(一応、私立理系大学を卒業しているので)ロジカルな世界、サイエンスの世界についてはある程度手触り感がある。しかし、その外側に出たときの力不足感は割と感じていたところに本書を読んだので、改めて教養を強化したいと思っていたので漠然と勉強する方法は探していたのであった。

入学経緯2:コンフォートゾーンの外側で何かをやりたかった

これも一応、ソフトウェア開発の世界で20年以上のキャリアを経て、仕事に必要な能力は身についている。また、割と学習マニアなので現在も様々な知識習得に励んでいる。が、ぶっちゃけ最近は学習量に比した能力向上感が失われてしまった。なんか、新しくない。脳ミソがたるんでいる。もちろんこの理由はわかっていて、コンフォートゾーンの中にいるからである。

ja.wikipedia.org

というわけで、特に最近切迫にコンフォートゾーンの外側に出たいと思っていたのだ。
そこで漠然と文系大学への入学を考え始めていた。

放送大学を選択した理由

理由は単純で

  • 費用が(自分にとっては)リーズナブル
  • 一方で正式な大学生の身分が得られるので、各種の割引サービスなどが受けられる
    • 例えばAmazon Studentなど(4年間Primeの会費が半額+書籍10%オフ)
  • 入学すればオンライン配信である程度自由に受講ができる

といったところ。
特に最後のひとつが大きい。放送大学の漠然としたイメージ「ラジオやTV放送で講義が放送されている」だったのだけれども現在は当然のようにネット配信も開始されていて、サイトは洗練されていないもののPC、スマートフォンタブレットなどで視聴が可能になっている。それも基本的には全講義がアクセス可能になっているので好きなペースで受講できるのである(ただし単位取得のために、特定の時期に課題提出を行ったり、テストを受ける必要はある)。

というわけで、昨年末くらいに申込をして4月くらいから受講を開始している。

受講を開始して1ヶ月時点の感想

録画視聴とはいえ、大学の講義をうけるのは20年以上ぶりである。ひとことで言えば新鮮で刺激的。
初年度ということもあるので今期は以下の2科目を受講中。どちらも自分にとっては素晴らしい学びの機会になっている。

哲学・思想を今考える

  • 哲学・思想系の導入科目。これはレベルとしては初級に該当する。
  • 西洋哲学に止まらず、非西洋哲学についても取り扱う。それに加えて科学の発展から生命倫理まで論じる。
  • 映像は無く音声だけの講義。かつほぼテキストと同じ内容が話される・・・のだけれども、内容が難解なので黙読だけでは頭に入らないので丁度良い。オーディオブック代わりに講義を聞いて、もう一度メモを取りながらテキストを読むスタイルで学習中。

西洋芸術の歴史と理論

  • 美術系の専門科目、これは科目レベルとしては中級に該当。
  • 文字通り西洋芸術の歴史について学ぶもの。
  • こちらは映像授業でありかつ、基本的に「理論的な内容はテキストに書いておいたので、授業では具体例を見てみる」スタイル。様々な美術作品を見ながら講師の青山先生の熱量の高い解説を聞くのが、とてつもなく楽しい。
  • 自分は事前にテキストを読んでから映像授業を見て、その後紹介された建築や美術作品についてネットで調べながら復習している。

受講を開始して1ヶ月時点の放送大学の不満

一応、現時点の不満も書いておく。

  • オンライン配信サイトは洗練されていない。使えなくはないが、便利ではない。なお学生でなくても試用できるので興味があれば見ておくと良い。
  • モバイルアプリも洗練されていない。かつダウンロードはできないのでWiFi環境でないと視聴は難しい。
  • テキストは当然のことながら電子化されていない。

と、まぁいろいろと課題もあるのだけれども、とりあえず前期は2科目をしっかりと学び取りたい。ただ7月の試験(学習センターに行って受験する)がどうなるかは、ちょっと心配。

『みずほ銀行システム統合 苦闘の19年史』読んだ #デッドライン読書会

対象を決めたら2週間で読み切りアウトプットしてから感想戦をするという読書会企画の第12回(意外と続いている)。今回の対象は『みずほ銀行システム統合 苦闘の19年史』である。

IT産業には民族誌が必要だ

本書を読んで思い出したのは、よしおかさんのずいぶん前の記事だったりする。

ソフトウェア開発の現場というのは伏魔殿で、外からは何が起こっているかさっぱりわからない。その中に入ってみない限り、わからない。IT産業にいるものであっても、やはり、Googleで何が行われているか、Appleで、Facedbook、TwitterあるいはLinkedInで何が行われているかは、そこに勤めたことがなければよくわからないのである。
結局のところ一人のエンジニアとしてはいろいろな現場を渡り歩き実際のpracticeやdisciplineを経験することによって少しずつトレーニングをつんでスキルをつけていくしかない。組織としては、転職者という人を媒体にして、組織として学ぶしかない。
そして、そのような現場の諸行を記述する方法論こそが民族誌である。IT産業の現場の民族誌を自ら記すことによって、そのノウハウを広く知らしめ、社会の財産にする。

内容はさておき、このような重要なプロジェクトの記録が行われ公開されるのはとても有意なことだと思う。
ただオビにある『「2025年の崖」からの転落を防ぐ秘訣がここにある』はちょっと盛りすぎなんじゃないか?

というわけで、読んでみたのだけれども

非常に興味深い。特に本プロジェクトの過程で発生した二度の大きな障害に関する記載などは非常にわかりやすい。
ただ、読み終わった時に正直なところ、こう感じてしまったのだ。
「あれ? これで終わり?」「分析は?」

類書といえば、三菱UFJ銀行の統合に関する本がある。

今読むと内容はちょっと古いが、終盤に「完遂への10ケ条」という章が設けられていたり、付録として割と詳細なキーワード解説(例えばEVM、OSSPMBOKSOAWBSなどの用語に関して割と細かい数ページずつの説明があった)などもついていた。
まあ、技術用語の解説は今時はネットでその場で調べられるので良いのかもしれない。しかし、プロジェクト全体に関する改めての分析や総括が無いのは非常に残念である。

情報システムの障害状況ウォッチ(2019年後半)

趣味の情報システム障害状況ウォッチ。前回に引き続き、今回も駆け足で確認。

元ネタはこちら。みんな見たほうが良いよ!
www.ipa.go.jp

2019年後半(7~12月)の傾向

2019年後半に報道された情報システムの障害は60件、これとは別に消費税の増税に伴うシステムの障害が29件報道されている。両者を合わせると89件、月平均14.8件となり、これまでに無い高い水準となった。障害は多岐にわたっているが、中でも利用が急速に拡大してきたキャッシュレス決済システムに関連する障害が9件、クラウドサービスをはじめとする共同利用型システムの障害発生が11件など、最近の技術動向を反映した障害の増加が特徴である。また、今期は風水害による大きな災害が多数発生したが、このような緊急事態に市民に情報を提供するべき災害情報システムの課題も浮き彫りとなった。
情報システムの障害状況 2019年後半データ

  • 障害は増えているとのこと。ただし「IPAが報道等でキャッチした障害」の件数であるという点には注意が必要だろう。別に何かの基準で障害が当局などに報告され、その件数を集計しているわけではない。報道ベースであるということは、世間の注目分野への偏りも出ているだろう。
  • キャッシュレス関連の障害は、まぁサービス拡大期なので増加するのは当たり前のような気がする。特に、各社マーケティング施策(いわゆる還元セール)を実施しているため大量アクセスが集中するなどトラブルになりやすい環境でもある。
  • クラウドサービスをはじめとする共同利用型システム関連の障害は、ちょっとくくりかたに疑問がある。19年後半は例のAWSの大規模障害があったということは確かなのだけれども、多くは銀行関連の共同センターのトラブルだ。これらのトラブルは共同利用型というより、2025年の崖問題が関係しているような気もする。

www.publickey1.jp
あ、あと、こんなのもありましたね。。。
piyolog.hatenadiary.jp
piyolog.hatenadiary.jp

そのころ海外では……

あまりIT業界関連では話題にならなかったように記憶しているが、ブリティッシュ・エアウェイでかなり影響の大きな障害が発生していたようだ。
www.computerworld.com
ただ、ざっと調べた限りでは原因は公開されていない模様。

さて、2020年はどうなっちゃうのだろうか。また6か月後くらいに振り返ってみたい。

複雑なシステムはどのようにして失敗するのか(How Complex Systems Fail)

How Complex Systems Fail – Perspectives の記事で紹介されていた「複雑なシステムはどのようにして失敗するのか(How Complex Systems Fail)」という論考が興味深かったので紹介する記事。

詳細はリンク先のPDF参照だが、紹介されている18条だけ簡単に紹介しておく(DeepL翻訳)。

  1. 複雑なシステムは本質的に危険なシステムである
  2. 複雑なシステムは故障に対して重く、うまく防御されています
  3. 大災害は複数の失敗を必要とする - 一点の失敗では十分ではない
  4. 複雑なシステムには、その中に潜んでいる欠陥の変化する混合物が含まれています
  5. 複雑なシステムは劣化モードで動作する
  6. 破局は常に角を曲がったところにある
  7. 事故後の事故を「根本原因」に帰属させることは根本的に間違っている
  8. 事故後の人間のパフォーマンスの評価に後知恵のバイアスがかかる
  9. 人間のオペレータには二重の役割がある: 生産者として & 失敗に対する防御者として
  10. すべての実務家の行動はギャンブルである
  11. 先端の行動がすべての曖昧さを解決する
  12. 人間の実務家は複雑なシステムの適応要素である
  13. 複雑なシステムにおける人間の専門知識は常に変化する
  14. 変化は新しい形態の故障を導入する
  15. 「原因」の見解は、将来の事象に対する防御の有効性を制限する
  16. 安全はシステムの特性であって、コンポーネントの特性ではない
  17. 人は継続的に安全を創造する
  18. 失敗のない運用には失敗の経験が必要である

論考の著者であるRichard Cook氏は医療事故、複雑なシステム障害、そしてこれらのシステムの頂点に立つ人間のパフォーマンスに関する第一人者だそうだ。主な著作は以下。

しかし、著者は異なるのだけれども、日本語だとこの本に書かれている内容とだいぶ重なっている印象である。複雑系と密結合によって誕生したシステムがどのように問題を発生させるかが論じられた良書だと思う。

「Design It! ― プログラマーのためのアーキテクティング入門」の後半も読んだ #デッドライン読書会

後輩の年下エンジニアに突き上げられて老兵エンジニアが未消化の積読技術書を読み、感想をブログに書く企画の第11回。今回も「Design It! ― プログラマーのためのアーキテクティング入門」である。今回は残り(第3部)を2週間で読んだ。というわけで本書は読了である。やりきった。

Design It! ―プログラマーのためのアーキテクティング入門

Design It! ―プログラマーのためのアーキテクティング入門

  • 作者:Michael Keeling
  • 発売日: 2019/11/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

デッドライン読書会のルールは、以下参照

わたしのDesign It!の前半の感想はこちら

なお、訳書が発売されてはいるのだが、本ブログでは原著で読んでいる。https://learning.oreilly.com/ のサブスクはオライリーだけでなくPragmatic Bookshelfも対象なのだ。このテクニックについてはこちらの過去記事をどうぞ。アーキ部のkawasimaさんもおすすめしてた。

チーム活動としてのアーキテクティング

さて、第3部「アーキテクトの道具箱」は言葉通り、アーキテクトがアーキテクチャに関する情報収集、検討、共有するためのテクニックが列挙されている章である。

非機能要件のヒアリングとしてのテクニック

「14章 問題理解のアクティビティ」で紹介されているテクニックは、これまでの文脈で言えば要件定義における非機能要件ヒアリングに相当するのだろう。紹介されている手法はすでに知っているものも多い。たとえばGQMなどはIPAでいろいろと資料が公開されているので見てみるとよいだろう。

なお言うまでもなく、本書で扱われる手法は抽象度がとても高い。一方で日本においてはより詳細レベルのヒアリングテクニックとして、非機能要求グレードがポピュラーである。このあたりの使い分けはよく考えた方が良さそう。

チームでのアーキテクティングテクニック

「15章 潜在的な解決策を探るアクティビティ」はチーム活動としてアーキテクティングする方法という点でとても新鮮である。
自分の経験では、アーキテクチャはリードメンバーが集中して考えるものであって、チームメンバーはあくまでそのレビュアーである。しかし、本書で紹介されているテクニックの多くは、複数メンバーのグループワークとして検討を実施する形となっている。これはかなり興味深いのだけれども、どこかで素振りをしておかないと、いきなり実戦適用は難しそうな印象。

アジャイルアーキテクチャを共有するためのテクニック

「16章 設計をタンジブルにするアクティビティ」「17章 設計の選択肢を評価するアクティビティ」は、情報共有に関するテクニックとアドバイスになっている。
とくに16章はシンプルかつアジャイルに情報を共有するためのいろいろなアイデアが紹介されていて、すぐにでも活用できそう。本書の前半でも紹介されていた「悪名の高いアーキテクチャ文書」の対策でもあると思う。

ソフトウェアアーキテクチャの文書化は、悪名高いことで有名だ。コードを書く時間を奪うし、賞味期限が切れていることがほとんどだ。独自のバイナリファイル形式で書かれていて、手軽に編集できないことも多い。それに加え、それを読む人がほとんどいない! ソフトウェアアーキテクチャ記述(Software Architecture Description)のことを SAD と呼ぶ人がいるのも不思議ではない。
Design It! ―プログラマーのためのアーキテクティング入門 11章 アーキテクチャを記述する

Design It!の感想まとめ

現時点での(時代に即した)アーキテクチャ設計論としては、本書Design It! ―プログラマーのためのアーキテクティング入門Release It!: Design and Deploy Production-Ready Software (English Edition)が二代巨頭だと思っている。残念ながら後者は未翻訳ということもあるので、本書が日本語で読めるようになったというのはとても良いことだと思う。
でも、英語/機械翻訳でも、けっこう読めるけどね。

アフター『アフターデジタル』

先日読んだ「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」がとても面白かったのだけれども、その続編「アフターデジタル2」が現在執筆中ということで、しかも原稿がライブで公開されているのがとても面白い。その他にもYoutubeで発信されている関連動画などいろいろあって興味深く観察している。欧米とは異なる進化を進んでいる中国ネット事情に関する話だが、ある種の先端、あるいはSF小説のような内容がとても刺激的だ。

アフターデジタル

そもそもどうしてこの本を手に取ったかというと、その前に読んでいた「イノベーション・スキルセット~世界が求めるBTC型人材とその手引き」の関連の対談をTakram Podcastで聞いたからだ。
podtail.com
podtail.com
(ちなみに後述するアフターデジタル2の第1章で本書が概観されているので、そこから読み始めても良さそう)

同書で語られている中で特に中国事例が非常に刺激的というか、SF的で非常に面白い本である。
テーマそのものである『すべてがオンラインになった世界』という切り口は、ある程度は理解していたつもりだった。自分もある程度は様々なサービスを使いこなしているつもりだったが、まだまだ知らない世界が多いというか、視点が広がるような知的興奮のある本だと思う。

Youtubeでの対談

この記事を書いている段階では新型コロナウィルスの問題が世界的にも日本としても大きな課題になっている。対策としてリモートワークなどの促進が身近なところでも急速に広まっている中で、「いま、中国サービス業界では」という切り口も含めたインタビューが公開されていて非常に興味深い。



アフターデジタル2

上記のインタビューでも触れられているが、現在「アフターデジタル2」という書籍が執筆中とのことだが、なんと執筆中の原稿が公開されている。
www.bebit.co.jp

さっそく読んでみたが、後半はメモがそのまま残っていたり、まさに執筆過程も含めて共有されているのがとても面白いと思う。
書かれている情報のそれぞれは、様々なWebメディアで小出しで見たことのあるものもあるが、それぞれの情報が点である。
著者の藤井さんによってこれらの点が繋がれていく様にも、強く知的好奇心が刺激される。書籍版の発行も楽しみである。

読書について 2020

自分は活字中毒であり、わりとたくさん本を読むほうなんだけど、最近立て続けに「どうやって読んでるんですか」と聞かれたので、最近の読書周りについて振り返ってみた記事。もしくは自分の読書週間の定点観測。

読書のスピードと読書術について

本を読むのは割と早い方だと思うけれど、速読法のような特殊な読書法は使っていないし、興味もない。普通に最初のページから読み始めて、最後まで読んでいる(あとがきを先に読むということもない)。読むスピードについてはちゃんと測ったことがないけれど、なんとなくの目安としては一冊4-5時間くらいだろう。

半年ごとに読んでいる本を棚おろしているので年間の読書スピードみたいなものは計算できる。試しに2019年で計算してみると

  • 1月〜6月に読んだ本…52冊
  • 7月〜12月に読んだ本…44冊
  • というわけで、96冊/年=8冊/月 のペースである。

ただし雑誌とコミックは計算に含んでいない。まぁ雑誌はマンガ週刊誌を惰性で読んでいるくらいだし、コミックも数ヶ月に1冊買うくらいなので誤差の範囲だけど。
agnozingdays.hatenablog.com

複数併読

2020/2/20のtakram radio(愛読番組のひとつ)が「読書と誤読」というテーマで面白かったのだけど、番組内で渡邉康太郎さんと荒木博行さんがどちらも10冊程度常に併読しているという話にはちょっとびっくりした。

こんな本もあるのは知っているが、未読。

自分はだいたい4冊くらいの併読が多い気がする。

  • 文芸書(小説)
  • 軽めのビジネス書
  • ソフトウェア開発関連の技術書
  • 重めのビジネス書

をその時の気分によって読み分けている。文芸書と軽めのビジネス書はすぐに読み終わって入れ替わっていくが、内容の重い本は数か月かけて読むこともある。

電子書籍か、物理書籍か?

物理書籍は書棚のスペース的な問題があるので、最近の好みとしては電子書籍(主にKindle)で本を購入することが多い。もちろんスペース的な問題だけでなく

  • スキマ時間での読書
  • 仕事などで読み返したくなった時にいつでも取り出せる
  • セールで安価に購入できる場合がある

などのメリットも大きい。

なお、並行して文芸書などについては公立図書館で借りて読むことも多く、これは当然物理書籍になる。

選書の方法

この10年ほど「読みたい未読本」が大量に積み上がってしまったので極力物理書店には立ち寄らないようにしている。売り場の書棚を見てしまうと新刊本など買いたくなってしまうからだ。では新しい本にどう出会うのかというと、基本的には「誰かがオススメしているもの」だけをチェックしている。ソーシャルネットワークやブログ、会った人に聞くなどして紹介してもらった本の中で興味のあるものをいったん非公開のAmazonの欲しいものリストに登録して、順番に読むのが最近のスタイルだ。
Kindleで大規模セールが実施されたら、欲しいものリストをまとめてチェックして値引きの多い本は買ってしまう。結果として最近は電子積読(買ったものの未読の電子書籍)はかなり沢山ある。

あと、技術書については数年前から加入している米オライリーのサブスクリクション(定額読み放題)もある。定期的に新刊をチェックして興味のあるものをピックアップしている。同サービスでは未発売のベータ版も読めるので、話題の技術書をいち早く読むことができる。
agnozingdays.hatenablog.com

読書フロー

読書前

ビジネス書や技術書の類はまず読み始める前に、目次をEvernoteに書き出してメモを取る準備をしてから読み始める事が多い。目次はネットで公開されていればコピーするが、公開されていない場合は本から書き写すことも多い。文芸書はこういった準備は何もしない。

読書中

気になる事があれば、Evernoteなどにメモを取っていく。また本の中で類書が紹介されているなら興味がある場合は、次に読む書籍リストに追加しておく。引用元が気になる場合は引用元の本を開くこともある。特に技術書については米オライリーサブスクリプション契約をしているので英語で良ければ読み放題のため、原著を併読することもある。
電子書籍の場合はマーカーをどんどん引いている(特に色とかは適当)。

読了

以前は書評などをマメにブログに書いていたのだけれども、最近は手抜きでInstagramに書影と寸評を書くだけで済ましている。もちろんそれ以上にコメントしたくなった場合などは、ブログに書評を書くこともある。

ブログとは別に、自分用の読書メモは割と時間を取って書いている。最近はEvernoteに蓄積している。ビジネス書であれば事前に作成していた目次に追記する形でメモを作っていく。電子書籍の場合はマーカーした文書をすべて吸い上げて、読書メモに付け加える。あと後で読み返しそうな図表などは写真を撮るなどしてこれもメモに追加している。
なんでこんなことをやっているのかというと、『二度と同じ本を読み返したくない』のだ。

  • 仕事で使いそうな情報
  • ブログで引用したそうな情報

があったとして、もう一度該当書籍を紐解くのが面倒というか時間の無駄だと思っているので、そういうことが無いように読書メモを書いている。ただ今どきは電子書籍であれば全文検索可能なので本当に必要かどうかは若干怪しい。ただ、この作業で読書の質も向上するような気がしているので習慣として続けている。

agnozingdays.hatenablog.com
(この記事を書いたときはGoogle Driveを利用していたが現在はEvernoteを利用している)

読書のツール

物理書籍の場合、以前は付箋をバンバン張り付けるスタイルにしていたのだけれども、付箋は意外に紙にダメージを残すので最近はブックダーツを愛用している。

電子書籍については、

  • 自宅で日中に読む場合は、Fireタブレット
  • 自宅で就寝前に読む場合は、KindlePaperwhite
  • 通勤で読む場合は、KindlePaperwhite もしくはiPhoneKindle.app
  • 仕事中に調べものをする場合は、PC上のKindleデスクトップアプリ

を使っている。

なお最近急速に老眼が進んでいて、リーディンググラスを利用することが多くなってきた・・・

togetter.com

本を読む場所

割とたくさん本を読んでいるのだが、半分以上は通勤時間に読んでいる。
それ以外では自宅(就寝前など)、あとは子供の習い事の送り迎えの合間に喫茶店で本を読むなどである。加えてiPhoneのアプリを使って、エレベーターの待ち時間や会議前の待ち時間なども読書時間に充てている。読みたい本がたくさんあるので、スキマ時間を極力うまく使いたいのだ。

読書について

別にたくさん本を読む人が偉いとも思っていないし、自分の読書は趣味と実益を兼ねたお楽しみである。
ただ、学びという観点で言えば読書のコスパは非常に高いと考えている。このあたりは以前に書いている。
agnozingdays.hatenablog.com