タイトルで言い切った感があるけれど、この春から放送大学に入学して哲学と美術について勉強を始めている。現時点でかなり満足度が高いのでご紹介。興味を持った人は10月入学目指して情報収集すると良さそう。
入学経緯1:教養分野の知識に興味があった
一応、私立理系大学は卒業している。かつ、学生当時に一般教養の単位は取得している(はず)。だがまったく記憶が残っていない。当時は当然ながら一般教養科目には興味もなく、真面目に勉強してこなかった(そもそも出席していたのかも怪しい)。そんな自分が一般教養に改めて興味を持ったのは、例えばこんな本を読んだからである。
グローバル企業が世界的に著名なアートスクールに幹部候補を送り込む、あるいはニューヨークやロンドンの知的専門職が、早朝のギャラリートークに参加するのは、 虚仮威しの教養を身につけるためではありません。彼らは極めて功利的な目的のために「美意識」を鍛えている。なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない、ということをよくわかっているからです。
(一応、私立理系大学を卒業しているので)ロジカルな世界、サイエンスの世界についてはある程度手触り感がある。しかし、その外側に出たときの力不足感は割と感じていたところに本書を読んだので、改めて教養を強化したいと思っていたので漠然と勉強する方法は探していたのであった。
入学経緯2:コンフォートゾーンの外側で何かをやりたかった
これも一応、ソフトウェア開発の世界で20年以上のキャリアを経て、仕事に必要な能力は身についている。また、割と学習マニアなので現在も様々な知識習得に励んでいる。が、ぶっちゃけ最近は学習量に比した能力向上感が失われてしまった。なんか、新しくない。脳ミソがたるんでいる。もちろんこの理由はわかっていて、コンフォートゾーンの中にいるからである。
というわけで、特に最近切迫にコンフォートゾーンの外側に出たいと思っていたのだ。
そこで漠然と文系大学への入学を考え始めていた。
放送大学を選択した理由
理由は単純で
- 費用が(自分にとっては)リーズナブル
- 一方で正式な大学生の身分が得られるので、各種の割引サービスなどが受けられる
- 例えばAmazon Studentなど(4年間Primeの会費が半額+書籍10%オフ)
- 入学すればオンライン配信である程度自由に受講ができる
といったところ。
特に最後のひとつが大きい。放送大学の漠然としたイメージ「ラジオやTV放送で講義が放送されている」だったのだけれども現在は当然のようにネット配信も開始されていて、サイトは洗練されていないもののPC、スマートフォン、タブレットなどで視聴が可能になっている。それも基本的には全講義がアクセス可能になっているので好きなペースで受講できるのである(ただし単位取得のために、特定の時期に課題提出を行ったり、テストを受ける必要はある)。
というわけで、昨年末くらいに申込をして4月くらいから受講を開始している。
受講を開始して1ヶ月時点の感想
録画視聴とはいえ、大学の講義をうけるのは20年以上ぶりである。ひとことで言えば新鮮で刺激的。
初年度ということもあるので今期は以下の2科目を受講中。どちらも自分にとっては素晴らしい学びの機会になっている。
哲学・思想を今考える
- 作者:孝至, 魚住
- 発売日: 2018/03/01
- メディア: 単行本
- 哲学・思想系の導入科目。これはレベルとしては初級に該当する。
- 西洋哲学に止まらず、非西洋哲学についても取り扱う。それに加えて科学の発展から生命倫理まで論じる。
- 映像は無く音声だけの講義。かつほぼテキストと同じ内容が話される・・・のだけれども、内容が難解なので黙読だけでは頭に入らないので丁度良い。オーディオブック代わりに講義を聞いて、もう一度メモを取りながらテキストを読むスタイルで学習中。
西洋芸術の歴史と理論
西洋芸術の歴史と理論―芸術の深く豊かな意味と力 (放送大学教材)
- 作者:青山 昌文
- 発売日: 2016/03/01
- メディア: 単行本
- 美術系の専門科目、これは科目レベルとしては中級に該当。
- 文字通り西洋芸術の歴史について学ぶもの。
- こちらは映像授業でありかつ、基本的に「理論的な内容はテキストに書いておいたので、授業では具体例を見てみる」スタイル。様々な美術作品を見ながら講師の青山先生の熱量の高い解説を聞くのが、とてつもなく楽しい。
- 自分は事前にテキストを読んでから映像授業を見て、その後紹介された建築や美術作品についてネットで調べながら復習している。