趣味の情報システム障害状況ウォッチ。前回に引き続き、今回も駆け足で確認。
元ネタはこちら。みんな見たほうが良いよ!
www.ipa.go.jp
これまでのウォッチ履歴
- 情報システムの障害状況ウォッチ(2019年前半) - 勘と経験と読経
- 情報システムの障害状況ウォッチ(2018年後半) - 勘と経験と読経
- 軽めに情報システムの障害状況ウォッチ(2018年前半) - 勘と経験と読経
- 情報システムの障害状況ウォッチ(2017年前半) - 勘と経験と読経
- 日経コンピュータ2017/8/3号特集「変わるITトラブル」を読んだ - 勘と経験と読経
- 情報システムの障害状況ウォッチ(2016年後半) - 勘と経験と読経
- 情報システムの障害状況ウォッチ(2016年前半) - 勘と経験と読経
- 情報システムの障害状況ウォッチ(2015年後半)、ポストモーテム - 勘と経験と読経
- 情報システムの障害状況(2015年前半)あるいは検死解剖 - 勘と経験と読経
2019年後半(7~12月)の傾向
2019年後半に報道された情報システムの障害は60件、これとは別に消費税の増税に伴うシステムの障害が29件報道されている。両者を合わせると89件、月平均14.8件となり、これまでに無い高い水準となった。障害は多岐にわたっているが、中でも利用が急速に拡大してきたキャッシュレス決済システムに関連する障害が9件、クラウドサービスをはじめとする共同利用型システムの障害発生が11件など、最近の技術動向を反映した障害の増加が特徴である。また、今期は風水害による大きな災害が多数発生したが、このような緊急事態に市民に情報を提供するべき災害情報システムの課題も浮き彫りとなった。
情報システムの障害状況 2019年後半データ
- 障害は増えているとのこと。ただし「IPAが報道等でキャッチした障害」の件数であるという点には注意が必要だろう。別に何かの基準で障害が当局などに報告され、その件数を集計しているわけではない。報道ベースであるということは、世間の注目分野への偏りも出ているだろう。
- キャッシュレス関連の障害は、まぁサービス拡大期なので増加するのは当たり前のような気がする。特に、各社マーケティング施策(いわゆる還元セール)を実施しているため大量アクセスが集中するなどトラブルになりやすい環境でもある。
- クラウドサービスをはじめとする共同利用型システム関連の障害は、ちょっとくくりかたに疑問がある。19年後半は例のAWSの大規模障害があったということは確かなのだけれども、多くは銀行関連の共同センターのトラブルだ。これらのトラブルは共同利用型というより、2025年の崖問題が関係しているような気もする。
www.publickey1.jp
あ、あと、こんなのもありましたね。。。
piyolog.hatenadiary.jp
piyolog.hatenadiary.jp
2019年後半 IT業界はいろいろあった
障害という切り口だと上記の通りだが、2019年後半はシステム障害以外でもいろいろなイベントがあった。
7Payのトラブル
みずほ銀行のシステム統合(が無事に)完了
そういえば、YahooとLINEの経営統合の発表もあったなぁ
そのころ海外では……
あまりIT業界関連では話題にならなかったように記憶しているが、ブリティッシュ・エアウェイでかなり影響の大きな障害が発生していたようだ。
www.computerworld.com
ただ、ざっと調べた限りでは原因は公開されていない模様。
さて、2020年はどうなっちゃうのだろうか。また6か月後くらいに振り返ってみたい。