2020年4月から放送大学の教養学部「人間と文化コース」に入学して、これまで勉強してこなかった人文系の勉強を始めている。4年目後期が終わったので感想をまとめておく。
目次
もうすぐ50のオッサンが放送大学の全科履修生として気ままに授業を取っている。理系の大卒資格は取っているので卒業をゴールにはしていない。学割の利用や大学図書館サービスなども活用できるので、割とお得な趣味である。授業はすべて(受講していないものも含めて)ネット配信されているので好きなペースで進めることができる。
4年目後期に受講した科目
この半年で受講した科目はこちら
社会と産業の倫理(’21)
社会と産業をめぐる諸科学において、倫理の問題がどのように取り上げられているかを検討する。「いかに生きるべきか」「善く生きるとは何か」といった問いをめぐるものである倫理は、あらゆる人間活動において、極めて重要な要素である。しかしながら、科学的方法にとって、倫理の問題の扱いは、けっして容易なものではない。本講義では、倫理の問題がなぜ重要なのか、それを学問的に扱うにはどうしたよいのか、そして、学問的な営みそのものにとって、どのような倫理的検討が必要なのか、といった問いを、さまざまな領域の専門家が検討するさまを紹介する。
考古学(’18)
モノである考古資料は、そのままでは何も語ってくれない。考古学は、モノからさまざまな方法で情報を読み取り、過去の社会や文化を復元し歴史を構築していく学問である。そこで、発掘調査や型式学・年代論・機能論・分布論などの方法論、隣接科学の考古学への応用、それをもとにした具体的な歴史の復元など、考古学の基礎を体系的に講義する。初めて学ぶ者から専門的な学習を目指す者まで幅広い学生を対象としている。
- 以前からちょっと気になっていた科目。ソフトウェア開発者として要求や仕様策定の方法として「考古学的アプローチ」なるものが考えられないのか……などと妄想していたこともあって受けてみたかったのだ。
- 考古学という学問や方法論に関する講義はかなり興味深い一方で、考古学を通じた人類史に関する講義は少し苦手なので大変だった。試験も難しく感じた。
初歩からの数学(’18)
これから大学で数学の勉強をするにあたって必要な事柄を解説する。講義の内容は、高等学校までに学ぶ数学であるが、それをできるだけ体系立てて解説していく。数学の各分野におけるさまざまな基本概念を理解することに重点をおき、数学的な見方、考え方、そして正確な議論の進め方を学ぶ科目として講義する。特に初学者にとって分かりづらいとされる分野を丁寧に解説したい。
- この科目は聴講のみ(テキストを購入して授業は視聴するが、単位は認定されない)
- 一応、理学部を卒業しているので一通りの数学は出来たはずなのだが、だいぶ忘却してしまった。というわけで数学の学び直しをしたいという気持ちがあったのだ
- この科目は様々な教養書でよくおススメされていたので手を出してみたもの
- さすがに前半は簡単すぎるので聞き流し。後半からはだいぶ興味深かった。また講義よりもテキストが素晴らしく、興味深い証明などについては実際に手を動かしながら学び直すのが良かった
これまでの記録
受講の感想
- 若手が育たないとか言っている暇はもう無い - 勘と経験と読経
- コンフォートゾーン外の学びの為にエンジニアが放送大学に入学してみた - 勘と経験と読経
- アラフィフ理系が放送大学の教養学部に入った記録(1年目前期完了) - 勘と経験と読経
- おっさんエンジニアの放送大学教養学部に入学記録2(1年目後期終了) - 勘と経験と読経
- 教育心理学はソフトウェア開発に活用できるか(教育心理学特論を読み終えて) - 勘と経験と読経
- おっさんエンジニアの放送大学教養学部に入学記録3(2年目前期終了) - 勘と経験と読経
- おっさんエンジニアの放送大学教養学部に入学記録4(2年目後期終了) - 勘と経験と読経
- おっさんエンジニアの放送大学教養学部に入学記録5(3年目前期終了) - 勘と経験と読経
- おっさんエンジニアの放送大学教養学部に入学記録6(3年目後期終了) - 勘と経験と読経
- おっさんエンジニアの放送大学教養学部に入学記録7(4年目前期終了) - 勘と経験と読経
これまで受講した科目
- 哲学・思想を今考える(’18):1年目前期
- 西洋芸術の歴史と理論(’16):1年目前期
- 総合人類学としてのヒト学(’18):1年目前期
- 博物館概論(’19):1年目後期
- 文学・芸術・武道にみる日本文化(’19):1年目後期
- 西洋哲学の起源(’16):1年目後期
- 教育心理学特論(’18):1年目後期 ※大学院科目の聴講
- 「人新世」時代の文化人類学(’20):2年目前期
- 日本美術史の近代とその外部(’18):2年目前期
- 現代フランス哲学に学ぶ(’17):2年目前期
- 記号論理学('14):2年目後期
- 舞台芸術の魅力('17):2年目後期
- 西洋音楽史(’21):3年目前期
- レジリエンスの諸相(’18):3年目前期
- 心理学概論(’18):3年目前期
- 現代の危機と哲学(’18):4年目前期
- アメリカの芸術と文化(’19):4年目前期
- 中高年の心理臨床(’20):4年目前期
- 社会と産業の倫理(’21):4年目後期(本記事)
- 考古学(’18):4年目後期(本記事)
- 初歩からの数学(’18) :4年目後期(本記事)