勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

組織の足並みを揃える「Aligned ―プロダクト開発におけるステークホルダーとの関係性の築き方」を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第90回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。今回とりあげるのは「Alig…

エンジニアの「モヤモヤ」を言語化する倫理的意思決定の「セブン・ステップ・ガイド」

日々の業務や個人開発の中で、「これって技術的には可能だが、本当にやっていいのだろうか」「波風を立てたくないが、このやり方は筋が悪い気がする…」とモヤモヤすることがある。ITエンジニアは、コードを書くプロセスからチーム開発のコミュニケーションに…

「要求開発」を復刻してみた(かも)

本ブログでときどき言及している、超上流工程向けの開発方法論である「要求開発」というものがある。以前は書籍やコミュニティサイトでの公開文書などがあったのだけれども、現在は入手困難であったりサイトは閉鎖されている。というわけで、復刻してみたと…

AI駆動開発時代に「要求開発」が再浮上する(かも)

最近考えていること。AI駆動開発時代に、「要求開発」を見直してもいいんじゃないかと考えたこと。要求開発~価値ある要求を導き出すプロセスとモデリング作者:山岸 耕二,安井 昌男,萩本 順三,河野 正幸,野田 伊佐夫,平鍋 健児,細川 努,依田 智夫,[要求開発…

ケース・スタディとケース・メソッド

中上級の技術者教育について考えている。経験的に有効な手法の一つに実際の事例を用いたグループワークがある。これをより改善するための方法を調べたり、考えたりしたことの覚え書き。 ケース・スタディとケース・メソッド 自分は実際の事例を用いたグルー…

心理的安全性のその先へ行くための本「失敗できる組織」を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第89回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。今回とりあげるのは「失敗…

「ソフトウェア開発者のキャリアハンドブック」(旧Being Geek)の更新点を確認

今年のはじめに発売された「ソフトウェア開発者のキャリアハンドブック ―キャリアの不確実性を進み続けるためのガイド」を読み始めている。この本はもともと「Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略」だったものの改定版だ。目次を見ながら更新…

Living Documentation: Continuous Knowledge Sharing をざっと読んだ

タイムラインで話題となっていた「Living Documentation: Continuous Knowledge Sharing by Design (English Edition)」ざっと読んだ。AIは使っていない(機械翻訳は使った)。というわけで、ざっくり理解したことをメモしておく記事。Living Documentation:…

チームと政治の話だった本「プラットフォームエンジニアリング」を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第88回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。今回とりあげるのは「プラ…

セカンドシステム症候群はシステム更改リスクの話か

「プラットフォームエンジニアリング ―成功するプラットフォームとチームを作るガイドライン」を読んでいる。プラットフォームの作り直しである新バージョン(V2)戦略はうまくなく、現在のものを改善(リアーキテクチャ)することが良いという話が出てくる…

強い情報統合と言語化の力を見せつける「AIエージェント 人類と協働する機械」

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第87回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。今回とりあげるのは「AIエ…

去年と今年の新書大賞を見ながら考える、新書読書計画2026

確か有名Podcastゆる言語ラジオで面白い新書を探すなら雑誌中央公論の3月号を読むと良いと紹介されているので、昨年からチェックをしている。2026年の新書大賞も発表されたので、去年読んだ新書を振り返りつつ、今年読みたい新書を選別した、という話。 雑誌…

Windows Vistaの研究(2008)とチームの嫌な臭い

いま「AIエージェント 人類と協働する機械」を読んでいる(良い本だ)のだけれども、その中でずいぶんと懐かしい話が出ていた。それはMicrosoft Windows Vistaのリポジトリと組織に関する研究だ。いわゆるコンウェイの法則の話だけれども、改めていろいろ読…

ソフトウェアテストの教科書と徹底指南書の比較

ソフトウェアの品質保証やテスト関して紹介しやすいコンテンツとして「【この1冊でよくわかる】ソフトウェアテストの教科書 [増補改訂 第2版]」と「ソフトウェアテスト徹底指南書 〜開発の高品質と高スピードを両立させる実践アプローチ」をよく利用して…

続:ソフトウェア開発で「なぜなぜ分析」はアンチパターン

先日書いた「ソフトウェア開発で「なぜなぜ分析」はアンチパターン」という記事には想定外の反響をいただいた。読んでいただいた方、コメントされた方には感謝する。勉強させていただいた。コメントは全て目を通していると思うが、寄せていただいた意見を参…

ソフトウェア開発で「なぜなぜ分析」はアンチパターン

なぜなぜ分析、根本原因分析、RCA(Root Cause Analysis)、5 Why手法はソフトウェア開発に適用すべきではなく、アンチパターンだと思っている。何度も説明するのが面倒なのでここにその理由を書いておく。なお、超シンプルで小さなソフトウェアには有効かも…

翻訳するミドルマネジメントとして「冒険する組織のつくりかた」を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第86回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。じつは今回紹介する本「冒…

多元的無知について

ちょうど読んでいる本で見かけた「多元的無知」という言葉について興味を持ったので、いろいろ調べたという話。ソフトウェア開発における多元的無知の現象について考えたこと。調べるきっかけとなったのは以下の記述である。 個人レベルでは育休取得に肯定的…

ソフトウェア開発 vs. ソフトウェアエンジニアリング(どうでもいい話)

「ソフトウェアエンジニアガイド」という本を読んでいるのだが、第三部で「ソフトウェア開発とソフトウェアエンジニアリング」を比較するという話が出てきた。なんだか、しっくりこないのでいろいろ調べたという、どうでもいい話である。ソフトウェアエンジ…

2025年下半期に読んだ本まとめ、おすすめ本など

2025年7月~12月に読んだ本のまとめ。カウント対象は期間中に読み終わったものに限り、読みかけの本は対象外としている。あとコミック、漫画雑誌類もけっこう読んでいるのだけれども、これは除外。 この6カ月では74冊の本を読んだようだ。まあ平常運転だった…

Frictionless(2025)をざっと読む

「Frictionless: 7 Steps to Remove Barriers, Unlock Value, and Outpace Your Competition in the AI Era」という英語の本をざっくり読んだという話。日本語にすると「フリクションレス:障壁を取り除き、価値を解き放ち、AI時代において競合他社を凌駕す…

コミュニティの知見をキャッチアップできる良書「SREをはじめよう」を読む Part.2

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第85回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は引き続…

マネージャーなのに現場感を忘れないために「SREをはじめよう」を読む Part.1

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第84回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「SRE…

仕事はがんばるな、自分のことはがんばれ

メンバーとの1on1などでつい「がんばれ」と言いがちなのは私だけではないと思うのだけど、言わないようにしているという話。タイムラインで話題になっている記事を見て思い出した。 仕事はがんばるな この文字通り「仕事をがんばるな」とストレートに言うこ…

グレイスフルデグラデーション(上品な劣化)

良い言葉を知った。これまでの知識では「縮退運用」なのだけれども、この言い方はネガティブなイメージが強い(縮とか退とかどっちもね)。今後はグレイスフルデグラデーションと言おう。言い方は重要だ。言いにくいので3回くらい声に出して練習した。 翻訳…

アジャイル事業開発の大聖堂「作る、試す、正す。」レビュー

日本におけるアジャイルコミュニティを牽引してきたpapandaさんこと市谷聡啓さんの新著「作る、試す、正す。 アジャイルなモノづくりのための全体戦略」をご恵贈いただいたのでさっそく読んだ感想。事業会社が事業開発をアジャイル開発の仕組みを用いて実践…

批評的に思考するために「超予測力」を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第83回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「超予…

アジャイルじゃなくていいのに

アジャイル開発プロセス(批判)の話ではなく、汚れちまった「アジャイル」という単語に関して考えたこと。まあ、流行るということは、こういうことなんですかね。 大衆化/ファッション化する「アジャイル」とは 最近読んでいる「FRICTION(フリクション) …

プロダクトマネジメントの方法論の逆輸入か?「両利きのプロジェクトマネジメント」を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第82回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「両利…

おっさんITエンジニアの後輩に勧める10冊の本 2025年版

いわゆるエンタープライズ向けソフトウェア開発技術者向けにお勧めする本をまとめてみた、というか10年くらい前に書いた記事を見直したもの。後輩から「後輩に勧めたい本を教えてください」という相談を受けることがあって(白目)記事が古くなっていたこと…