勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

アジャイルじゃなくていいのに

アジャイル開発プロセス(批判)の話ではなく、汚れちまった「アジャイル」という単語に関して考えたこと。まあ、流行るということは、こういうことなんですかね。 大衆化/ファッション化する「アジャイル」とは 最近読んでいる「FRICTION(フリクション) …

プロダクトマネジメントの方法論の逆輸入か?「両利きのプロジェクトマネジメント」を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第82回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「両利…

おっさんITエンジニアの後輩に勧める10冊の本 2025年版

いわゆるエンタープライズ向けソフトウェア開発技術者向けにお勧めする本をまとめてみた、というか10年くらい前に書いた記事を見直したもの。後輩から「後輩に勧めたい本を教えてください」という相談を受けることがあって(白目)記事が古くなっていたこと…

就任予定はないけど「エンジニアリング統括責任者の手引き」を読む Part.2

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第81回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「エ…

実践要件定義レビュー入門

AI時代になって、要件定義の重要性が増しているらしい。自分で要件定義をやる人向けの注意点もあるけれど、要件定義書をレビューする立場の人にも知っておいてほしいことがある。というわけで実践的な要件定義レビュー入門を書いてみたという記事。要件定義…

就任予定はないけど「エンジニアリング統括責任者の手引き」を読む Part.1

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第80回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「エ…

前略、戦略

あまり「戦略」という言葉は好きではないのだけれど、事情によりいろいろ調べてるという話。個人的には「作戦」くらいでいいんじゃないの。 戦略とは何か 戦略とはなんだろう。最近のエンジニアリングマネージャー向けの本を読んでいると、よく紹介される本…

読書について 2025

自分は慢性の活字中毒者であり、わりとたくさん本を読むほうなんだけど、ときどき「どうやって読んでるんですか」「どうやって選んでるんですか」などと聞かれるので、最近の読書周りについて振り返ってみる記事。もしくは自分の読書習慣の定点観測。5年前に…

「LLMのプロンプトエンジニアリング」が異星人の研究書のようで面白かった

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第79回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「LLM…

2025年上半期に読んだ本まとめ

2025年1月~6月に読んだ本のまとめ。カウント対象は期間中に読み終わったものに限り、読みかけの本は対象外としている。あとコミック、漫画雑誌類もけっこう読んでいるのだけれども、これは除外。 この6カ月では80冊の本を読んだようだ。意識的に新書を読ん…

方法論は適材適所で!(「ドメイン駆動設計をはじめよう」を読んだ Part.2)

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第78回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「ド…

ドメイン駆動設計もはじめよう(「ドメイン駆動設計をはじめよう」を読んだ Part.1)

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第77回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「ド…

技術発表スライドシェアの功罪

適当に考えていることを書く記事。ソフトウェア開発技術者のコミュニティではスライドシェアという文化がたぶんあるのだけれども、危うさがあるということについて。登壇、発表は見るのもやるのも楽しいけれど、知識のアーカイブとしてはどうなんだろうね、…

シェアド・リーダーシップ実践テキスト『リーダーシップ・シフト』を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第76回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「リー…

おっさんITエンジニアの仕事で役に立った書籍(パーソナルマネジメント・仕事術編)

EMのしごとで良く使う本75冊 - だいくしー(@daiksy)のはてなブログ がとても参考・刺激になったのと、最近読んだ「エレガントパズル エンジニアのマネジメントという難問にあなたはどう立ち向かうのか」の末尾に掲載された「役に立った書籍」リストにも感銘…

TryHackMe(無課金版)を1年続けたらレベル10([0xA][WIZARD])になってた

数年前に情報処理安全確保支援士の資格を取得し、その後も資格維持のための研修は受講している。けれども、手を動かしていないのでセキュリティに関する知識向上に不足があるという不安があった。そこで実際に手を動かすべく、1年くらい前からTryHackMe(以…

おっさんITエンジニアの仕事で役に立った書籍(国語・日本語・文章術編)

EMのしごとで良く使う本75冊 - だいくしー(@daiksy)のはてなブログ がとても参考・刺激になったのと、最近読んだ「エレガントパズル エンジニアのマネジメントという難問にあなたはどう立ち向かうのか」の末尾に掲載された「役に立った書籍」リストにも感銘…

整頓第一『Tidy First?』を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第75回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「Tidy…

構築するソフトウェアのサイズ論(プロダクト、システム、エンタープライズシステムズ)

ソフトウェアを構築するときに作り方(ウォーターフォールとかアジャイル開発とか)などに注目されがちだが、むしろ注目すべきなのは構築するソフトウェアのサイズなのではないかと最近考えている。というわけで、ざっくりと小さいほうからプロダクト、シス…

おっさんエンジニアの放送大学教養学部に入学記録9(5年目)

2020年4月から放送大学の教養学部「人間と文化コース」に入学して、これまで勉強してこなかった人文系の勉強を始めている。5年目(前期・後期)が終わったので感想をまとめておく。目次 5年目に受講した科目 錯覚の科学(’20) 西洋の美学・美術史(’24…

実践的だった『ソフトウェアアーキテクトのための意思決定術』を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第74回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「ソフ…

IT技術書でよく引用されているナゾ映画プリンセス・ブライド・ストーリーについて調べた

IT技術書にある引用が割と好きだ。知ってる本やネタが引用されていると楽しい。映画スターウォーズやスタートレック、マニアックなSF小説とか指輪物語など。しかし、たびたび引用されている謎の映画がある。それがプリンセス・ブライド・ストーリーである。…

2024年下半期に読んだ本まとめ

2024年7月~12月に読んだ本のまとめ。カウント対象は期間中に読み終わったものに限り、読みかけの本は対象外としている。あとコミック、漫画雑誌類もけっこう読んでいるのだけれども、これは除外。 この6カ月では65冊の本を読み、2024年全体では133冊の本を…

2024年に行った美術館・博物館展示のまとめとふりかえり

2024年に行った美術館・博物館展示をまとめてみる定点観測記事。 美術館や博物館に行くのは半分趣味だけど、年をとっても感性と知的好奇心が死なないように自分にとって理解困難なものに触れる機会を大切にしている。脳の筋トレ。過去の振返りはこちら 2023…

EAに実体を与える『エンタープライズアーキテクチャのセオリー』を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第73回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「エン…

40代にやっておいてよかったこと

50代のおっさんエンジニアになってたので、雑に40代にやっておいてよかったことなどを振り返ってみた。思い出補正があるかもしれないので参考にしようとする人は注意。 運動習慣をつけた 資格学習を継続した 読書習慣を維持した 仕事と関係ない勉強を始めた …

「日本のテスト技術者が知るべき72のこと」っぽい『にしさんの教え』を読んだ

昨年に亡くなった、特にソフトウェアテストの世界で有名な電気通信大学の西康晴氏(にしさん)という方がいる。私は残念ながら直接お会いしたことはなかったのだけれども、X(旧Twitter)での発言や様々なコミュニティでの発表など、とても参考にさせていた…

立往生している人のための『アジャイルなプロダクトづくり』を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第72回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「アジ…

アーキテクトを目指すITエンジニアのため『アーキテクトの教科書』を読んだ

読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第71回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。さて、今回読む本は「アー…

要求は開発されているか?~要求開発宣言について勝手に振り返る 2024~

20年前の2004年ごろ「要求は開発するものである」という言説がソフトウェア開発の世界にあった。ちょっと思うことがあって、このテーゼについて勝手に振り返ってみたり考えたという話。 なお、この話は情報システム開発の、現在の文脈でいうならSoRに関する…