読むのがホネな技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第67回。同僚と読書期限を約束することによって積読が確実に減るという仕組み。過去記事はこちら。
さて、今回読む本は「鬼時短―電通で「残業60%減、成果はアップ」を実現した8鉄則」である。
なお一応書いておくと、ぶっちゃけこの本に書かれている某企業のグループ会社勤務ですが、様々な意味で関係ございませんし本記事は個人の感想です(本記事のタイトルも含む)。この本を読んだ上司の元で働きたい
さて本書は文字通り「時短の本」なのだが、テクニック本ではなく、社長が説教される本である。
そしてそのロジックが某大企業の生々しくて切羽詰まったエピソードを通じて語られており、心に染み入る。そしてなにより、某企業がやり切ったという実績もあるのである。強い。
わたしは本書を読み終わってから知ったのだが、著者の現職企業が公開しているYouTubeの動画を見るのが本書を理解する上では手っ取り早い(約1時間の動画)
裏側というタイトルになっているが、本書の要点がちゃんと紹介されているプレゼンテーションである。
youtu.be
というわけで本書は大変に良い本だった。
しかし、ひとつ問題がある。それは
わたしが社長ではない
ということである。
しかしちょっと待て。自問しよう。
おまえは社長ではないかもしれないが、
お前にはチーム(部下)があるだろう
そうだ。だから社長以外のリーダー全員に読む価値はある。
部下に丸投げをせず、自らの責任を果たせ
前述の動画でも紹介されているのだけれども、本書の出版社ページから「鬼時短【23の「やること」と58の「チェックポイント」リスト】」はまるまるダウンロード可能である。
そこに書かれていることを抽象化すると「部下に丸投げをせず、自らの責任を果たせ」ということになるだろう。
そしてマネジャーになってしまうと(偉くなったという錯覚もあり)間違ってしまいがちなことでもある。
- 方針だけ決めて あとは「うまくやれ」
- わからないことがあったらオレに「聞いて」
ではダメということが本書でもたびたび強調されている。
本書のテーマは「全社単位の時短/業務改革」であるからこそ、想定読者は経営者となっている。しかし同じようなシチュエーションは部署やチーム単位でもいろいろとあるだろう。生産性の向上やコスト削減、リードタイムの短縮など。今ではFour Keysがどうしたこうしたという話もある。
本書が語ることは、「やりたかったら、自分で責任をもってやれ」である。
というわけで、コンパクトで熱いメッセージが込められており、本書はとても刺激的であった。今後 周囲の人に勧めていく予定。
さて、次は何を読みましょうかね。