ITエンジニアの教養としてのモンティ・パイソン

ITエンジニアたるものモンティ・パイソンくらいは教養として押さえておきたいと思っていたのだ。で、年末に読んだ「アドレナリンジャンキー」に以下のモンティ・パイソンネタが出ていたのでいろいろ調べたりしてみた。「死んだ魚」「死んだオウム」について。

「このプロジェクトは死んでません。フィヨルドが恋しいのかも」
「死んでませんたら、羽毛の生え替わり中です」
「こいつは死んだプロジェクトだ。あの世のプロジェクトの仲間入り！」
「それじゃ、次は全然別のパターンを」
アドレナリンジャンキープロジェクトの現在と未来を映す86パターン死んだ魚、より

死んだ魚

引用した部分はモンティ・パイソンの有名なネタである「死んだオウム」のパロディのようである。これが書かれているアドレナリンジャンキーの「死んだ魚」という章は、成功の見込みがないプロジェクトについて誰もトドメを刺さずに放置するというパターン（？）に関する話である。

youtubeには残念ながら英語版しか上がっていないのだけど、ニコニコ動画には字幕付きのものがあるので興味があれば見てみると面白い。SIerあたりで仕事をしていると割と乾いた笑を楽しめるかもw

せっかくなので、冒頭の引用の前後も妄想してみる。

死んだプロジェクト

客「こんちは、苦情を言いに来たんだが」
PM「･･････」
客「もしもし、彼女？」
PM「は？　彼女って？」
客「･････失敬、風邪を引いていてね。苦情を言いに来たんだ。このプロジェクトを中止したいんだがね」
PM「今、昼休みでして････」
客「いいから。３ヶ月ほど前に御社に発注したプロジェクトなんだが」
PM「ああ、ノルウェイ・ジャンブルーね。何か問題が？」
客「大ありだよ。死んでるぞ」
PM「････いえいえ、これはオンスケですよ」
客「オンスケか死んでるか見りゃ分かんだろよ！　ほれ！」
PM「いえいえ、やっぱりオンスケです。進捗が入り繰りしてるんですよ」
客「入り繰りぃ？！」
PM「ええ、こいつは変わってまして。見て下さいこの前倒し作業！」
客「前倒し作業のことなんかどうだっていいんだ！　死んでんだから！」
PM「い～え、オンスケですって」
客「･･････よぉし、分かった。なら成果物出せるんだな！」

客「（叫ぶ）おはよ～ポリ～！！　臨時レビューをやりますよ～！　成果物出してくだちゃ～い！」
PM「ほら、動いた」
客「何言ってやがる、お前が押したんだろ！！」
PM「何にもしてませんよ！」
客「とぼけんじゃねぇよ！！」

客「（叫ぶ）おはよぉ～ポリ～！！　ポ～リ～！！　ポリ～ちゃ～ん臨時レビューしましょ～！！　ポ～リ～！　お目目溶けちゃいまちゅよ～！！」

客「見ろよ。死んでるだろ？」
PM「･･････いえいえ、気絶したんだ」
客「ぐだぐだぬかすな！　このプロジェクトはすでにお亡くなりなんだ。３ヶ月前、これを始める時何て言った？　動かないのは頑張り過ぎで疲れてるからだとか言ったな？」
PM「･････ホームシックでフィヨルドが恋しいのかも」
客「フィヨルドぉ！？　ざけんじゃないぞ！　ならこのタスクの進捗率がずっと90%の理由はよ？！」
PM「このタスクは寝かす必要があるんですよ。どうです、綺麗なイナズマ線！　それにこの美しいWBS！」
客「実はおかしいと思って調べさせてもらった。なんで全体進捗率が常に100%なのかと思ったら、ただ単に固定値だったよ」
PM「･･････そりゃそうですよ。そうでもしなきゃ、管理できないですもん」
客「よく聞けよ。こんなプロジェクト、４０００ボルトの電気ショックくれても動きゃしないんだ。ご臨終なんだからな」
PM「い～え、オンスケですって････」
客「い～や、亡くなってるんだ。このプロジェクトはすでにこの世のものじゃない。逝っちゃったの！　みまかられたの！　息をひきとって、神の元に召されたの！　こいつは『故プロジェクト』！　亡骸！　粉飾しなかったら冷たい土の下で永遠の眠りについてなきゃいけないの！　成仏したの！　天国行ったの！　こ、れ、は、『元』プロジェクト！
PM「････分かりました、体制をお取り替えしましょう」

PM「あいにく、自社要員は品切れでして･････」
客「･･･････だろうな。じゃあ代わりに何があるんだ？」
PM「オフショアはいかがでしょう？」
客「･･････喋るのかい？」
PM「いいえ」
客「喋んなきゃ代わりじゃないだろうよ！」
PM「じゃあ、こうしましょう。元請企業がボルトンにあります。（メモを渡す）そこなら要員の取り替えがきくと思います」