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勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

社内内弁慶について

割と気軽に使っていた「社内内弁慶」というキーワードについてのまとめ。ブログ等で反応いただいたり、それを読んで考えたことなど。発端のエントリはこちら。

社内内弁慶の定義

社内内弁慶という単語は以下の過去記事で最初に触れたのだけれども、「オレオレプロフェッショナル」というイメージで使っている。

どの業界でもそんな人は一定割合いると思っている。ただ、技術進歩が早くまた知識体系がうまく整備されていないソフトウェア技術者の世界では、社内内弁慶でいることは危ういのではないだろうか。

  • ひとことでソフトウェア技術と言っているけど、技術的に枯れている特定の技術分野なら、経験や練度を上げることが成長につながるかもしれない。社内内弁慶でもたぶん問題ない。
    • 例えば、防衛技術などをイメージしている。
  • すごい特殊な専門性の高い知識分野であれば、例えば一部の研究者が開発した知識、技術、素材などを囲い込むことができれば良い。一般の技術者は自社が囲い込んだ(あるいは発明した)ものを学んで活用すれば十分に競争力を発揮できると思う。
    • 例えば「新素材」などを活用する分野などをイメージしている。
  • しかし、ソフトウェアの分野全般は枯れてもいないし、超光速でネットで知識情報が伝播していくので、内向きに技術者をやっていると競争力を維持するのは厳しいというのが個人的意見である。
    • 極端な話、計画した時には実験的で適用するのは難しいテクノロジーやプラクティスが実行時には十分適用可能になっていたりする。
    • 常にプロセスのショートカットやハックをトライするくらいでないと、その場所に居続けるのが難しい。

社内内弁慶を社外につれていく方法

どうやって社内内弁慶を外に連れて行くか、について@sakaba37さんにご意見をいただいている。社内内弁慶の人はそもそも勉強会というものを知らないので、勉強会というものについて情報発信をして知らしめるのが良いのではないかというご意見である。

そのような人と比べて、社内内弁慶の人は勉強会の優先度が低いのです。それは、意識が低いと言うよりも、勉強会そのものを知らないからです。
社内内弁慶を社外勉強会に参加させる方法: ソフトウェアさかば

基本的には賛成。
付け加えるなら、一回は「社外勉強会」を社内勉強会としてやってしまうという手があるような気がする。そうして「勉強会」を知ってもらうというのは、いつかやってみたいと思っている。

そういえば、TwitterのTLを流れていた以下の記事が良い参考記事になると思った。

結局、「ある程度成熟した人」を、「第三者」は「変えること」はできません。できることは「変わろうとする人」に「変わる機会」や「変わる環境」を提供することくらいです。

社外勉強会がイイというわけではない。問題はどうやって視野を広げるか。

@ledsunさんにもこんな意見をいただいた。こちらは、労力の割にメリットが少ないので社内勉強会はやらないというご意見。

勉強会参加の欠点は「刺激にはなるが実力はつかない」につきる。

ポイントとして「自習が出来るか」に着目していて、この観点にはハッとした。

  • まず、(社外勉強会に出るか云々より)自習力があるかが問題だ
  • 自習力があれば、刺激を受けてさらに技術力を高めていくことができる
  • 社外勉強会などは、割りと効率よく刺激を受けることができる場である

ただ、自習力をつけても最終的に囲いを破って社外に出て行くことができるのかはちょっと気になる所。社内で特定技術のナンバー1になったところで満足されてしまうのでは悲しい。

化石にならないためにも

ふと思い出した以下の一節を引用する。

本書を執筆する上で私が最も配慮したのは、業界の第一人者や教授らの知識と、一般的な商用プラクティスとの差を縮めることである。多くの強力なプログラミングテクニックは、一般のプログラミングに浸透するまで何年もの間、専門誌や学術論文に埋もれている。
近年、最先端のソフトウェア開発プラクティスが目覚ましい進歩を遂げている。しかし、一般的なプラクティスの方はそうではない。多くのプログラムは依然としてバグだらけだし、スケジュールは遅れ、予算をオーバーし、ユーザーのニーズに応えていない。(中略)いくつかの調査で、研究開発が商用プラクティスとして普及するには、一般に5~15年、あるいはそれ以上かかることがわかっている。本書は、そのプロセスを短縮し、重大な発見を平均的なプログラマに提供しようとするものである。
Code Complete第2版〈上〉―完全なプログラミングを目指して (はじめに、より引用)

ソフトウェア開発の世界の時間の流れは早い。井の中の蛙になっていると、あっというまに干からびるどころか化石になってしまうような心配があると思っている。

Code Complete第2版〈上〉―完全なプログラミングを目指して

Code Complete第2版〈上〉―完全なプログラミングを目指して