未消化の積読技術書をデッドラインを決めて読んで感想をブログに書く企画(ざっくり)の第8回。今回は今年訳書も発売されて有用だと評判の「レガシーコードからの脱却」が題材である。大著なので2回に分けて読むことにしている。というわけで今回は2週間で8章から最後まで読んだ。
レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス
- 作者:David Scott Bernstein
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2019/09/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
デッドライン読書会のルールは、以下参照
前半の感想はこちら
なお、訳書が発売されてはいるのだが、本ブログでは原著「Beyond Legacy Code」のほうを読んでいる。https://learning.oreilly.com/ に加入しているので原著であれば購入せずに読めるからである。まぁ本書は実際かなり有用なので将来的にはチーム用に別途書籍購入してもいいかなぁと思っている。
「Beyond Legacy Code(レガシーコードからの脱却)」の総評
- 技術書をマメに読む人にとっては、「どこかで聞いた話」が多いかもしれない。
- 逆にふだんあまり技術書を読まない人やチームメンバーにとっては、様々な良書技術書からのエッセンスがまとまっているので非常にお得な本だろう。
- 紹介されているプラクティスが9つしかないのも、取り扱いやすさという点では良い。迷う必要がない。
というわけで技術書をあまり読まない人にはオススメの本。ただ個人的には「どこかで聞いた話」も多かった印象は否めなかった。
ソフトウェア業界の改善に向けて
84zumeさんの感想でも触れられているけれど、最近のトレンドとしてアジャイル開発の「管理手法」の側面ばかりがピックアップされており、「技術プラクティス」の活用が十分ではないという著者の指摘は割と鋭いと思う。日本国内ではDXの文脈でもアジャイル開発手法も注目されているのだけれども、基本的には「管理手法」がピックアップされている印象だ。実際には「技術プラクティス」のほうが重要になるだろう。
とはいえ一方では
- SIer/受託開発のビジネススキーム(契約の観点、チームの観点)
- 発注者文化
- 受注者文化
- もろもろの契約スキームとソフトウェアの特性とのギャップ
などの問題も山積みで、技術プラクティスの採用は割とハードルは高いものも多い。うまいやりかたは自分でも探し中である。
そういえば余談だけれど、技術プラクティスといえばXP(本書でもすごい推している)だが、そういえばJoy.incもXP推しなんだよなぁ。
- 作者:リチャード・シェリダン
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/01/20
- メディア: Kindle版