勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

いまさら「ドメイン駆動設計」を読み終えた

今さらなのだけれども、「エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)」を読んだ。仕事で活用できるかと問われると微妙だけれども読んで良かった。避けていたのはいろいろな誤解があった。複雑なソフトウェアを作る為の考え方。

Eric EvansがDDDのアイデアを著書のドラフトというかたちでWeb上で公開し始めた2002年以来、この知恵の書は多くの識者の間で話題の中心となり、「徹頭徹尾有用な書籍(most thoroughly useful book)」とまで評された。記述されている内容の一言一句すべてにおいて役に立つことしか書かれていない、と賞賛された書籍が、この長きにわたって日本語で紹介されていなかったことは、まったく謎なのである。
エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践) 日本語版推薦文、より

本書を読むことを避けていた理由

最終的には、高安さんの「システム設計の謎を解く 強いSEになるための機能設計と入出力設計の極意」を読んで背中を押された形である。

読んだ感想

自分が「ドメイン駆動設計をやっています(?)」と言えるようなプロジェクトを立ち上げたり、参加することはそうそう無いと思っている。SIerに所属しているということも理由の一つだけど、アプローチそのものが難しいし、メンバーのスキル的にもかなり工夫しないと失敗してしまう可能性が高いと思うからだ。時間的な制約も大きい。

しかし、部分的・実験的な範囲でトライする価値も大きい。だから自分はこっそりと従来のプロジェクトに本書で紹介されている内容を潜り込ませていくのがいいと思っている(やり方はこれから考える)。本書に書かれていること全てを丸ごと適用するのではなく、少しずつ組み込んでいくという手のほうが筋が良さそうに思える。