勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

2015年下半期に読んだ本のふりかえり

昨年までは毎月読んだ本をまとめていたのだけれども、今年は趣向をかえてInstagramでカジュアルに読んだ本をキャプチャーするだけにしている。2015年も終わるので、これまで読んだ本を振り返ってみる。

2015年下半期に読んだ本を並べてみた

































ビジネス書のオススメ

月並みだけれども、この本が良かった。なにやらHBR読者が選ぶベスト経営書2015で第1位らしい

特に良かったのが、著者のホロウィッツがアンドリュー・グローブの経営哲学に沿っているというところ。それどころか、HBR読者が選ぶベスト経営書2015の第2位である「How Google Works」も第3位の「ワーク・ルールズ!」もアンドリュー・グローブに繋がっているというのが興味深い。

agnozingdays.hatenablog.com

だから、今年読んだ本当のベストビジネス書はこれなのだが、残念ながら絶版である。なんとかしてもらいたいものだ。

技術書のオススメ

今年はあまり技術書を読み終えていないのである。ちなみに読み掛けの本はこんな感じ。

読み終わった本を振り返ると、「ソフトウェア要求 第3版」が最も有用な本であった。今後もなんども読み返すだろう。読むことが武器になる。

だが、あえて一番お勧めしたいのは以下のKindle無料書籍である。

Kindle端末がなくても、スマートフォンKindleアプリをインストールすれば読めるので本当におすすめ。この本は「角川インターネット講座」の各巻の序章(全文)を試し読みするもの。各巻の序章はそれぞれのテーマについての監修者が執筆しており、重要なポイントなどが惜しげもなく書かれている。というわけで、これを一通り読むだけでも、かなりのキャッチアップになるだろう。

インターネットは道具ではなく、もはや環境となりました。各会の日本を代表する第一人者に監修の労を賜ったこの全集が、これまでの社会とこれからの未来をつなぐ必備の書となることを願い刊行します。
角川インターネット講座 発刊に際して

しかし今年はSIer的な観点でいうとブームになるような(皆が話題にするような)技術書があまり無かったような気がするなぁ。何か見落としている?

文芸書のオススメ

いろいろと読んできたけれども、読書体験として良かったのはこの本。

経緯を知らないひとに説明するのはちょっと難しいのだけれども、

  • 屍者の帝国 (河出文庫) というSF作品と同じ世界観で書かれたアンソロジー
  • 原点の作品は故 伊藤計劃さんが冒頭だけ書いて未完だったものを円城塔さんが完成させたもの。
  • 筋としては「死者が動く(動かされる)」物語。(すでに死者である)伊藤氏が構想した死者が動く物語が増殖しているというメタな構図もあって凄い面白い。

オススメできないけれどいちばん面白かった文芸書は

コレです。面白いのだけれども本当にオススメできないので書影は取っていなかったりする。

Kindleで読んだので知らなかったのだけれども、文庫本のオビは「絶望率100%」。覚悟はしていたけれども、想像以上。ちなみに2巻も読みました。このあたりも参考に。

というところで、振り返りはここまで。
さて、来年はどんな本に出会えるかなぁ。良いお年を。