勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

朝会を進捗会っぽくしない

朝会はコミニュケーションの場であって、スクラムマスターやマネージャーへの報告の場ではない。でも、文化や出自の異なるメンバーで行うプロジェクトだと、いつのまにかミニ進捗みたいになってしまう。雰囲気作りも重要だと思うけど、それ以外にやれることはある。

朝会のミニ進捗会化

デイリースタンドアップ/スクラムはスクラムマスタのためのものではない

そもそも朝会のようなコミニュケーションの場は特殊で、(日本人にとって)普通に学校や社会で学ぶような機会はあまりないと思う。いちばん経験するのはトップダウンの情報共有(先生や上司の話を聞く)かボトムアップの報告(上司やリーダーに報告連絡)だから、放っておくと朝会もそうなりやすい。

うまくいっていない朝会だと、そもそもメンバーの会話を他のメンバーが聞いていない。というか、自分が発言するまでは「なにを発言するか」ばかりを気にしているし、自分の番が終わるともう終わった気になってしまっている(ノートPCやスマートフォンに注意がいってしまう)。これだと朝会はコミニュケーションの場として成立してすらない。

情報を引き出して共有するファシリテーターをする

たとえば私は朝会がミニ進捗会っぽくならないように、よく以下のような発言をする

  • メンバーの発言のあいだに
    • いまの●●ですけどみんなわかった?
    • いまの●●についてもうすこし解説してもらえない?
    • ●●ってけっこう影響があるんじゃない?影響あるひと!(挙手を促す)
    • いまの●●について誰か付け加えることない?
    • 他の方法ってないのかなあ。どう?
    • その作業って無くせないの?
    • 早く終わらせるためのアイデアってなにかない?
    • いまの報告にコメントない?
    • 反論ない?

要は呼び水になるようなコメントをして、ちょっとした議論や情報交換を促すのである。なお、正解を知っていても出来る限りは発言を我慢して議論にまかせるのがいい。

それでも雰囲気が改善されないときは、サクラで喋る人を仕込んで、誰かの発言の後にサクラと一緒にちょっとした会話のキャッチボールをしてみてもいい。

日本人的なメンタリティだと、常に「正解を言わなくちゃいけない」「誤りをいうと減点」といった空気が出がちなので、これを、どうやってうち崩していくのかがポイント。

以前に書いた朝会に関する記事