勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

ピクト図解をなぞり書きで練習した

勉強会の参加記録。BMG(Business Model Generation)の勉強会に参加してピクト図解について学んだ。実はピクト図解は名前だけしか知らなかった。ビジネスモデルキャンバスは顧客の視点で価値について論じるモデルだけれども、経営(カネ)の視点が弱い。ピクト図解でこれを補うという考え方が素敵だった。


ピクト図解

同書は未読(すいません)。

  • 名前から想像するに、もっと多種のアイコンを用いた表現だと思っていたのだけれども、実際にはむちゃくちゃシンプルで驚いた。
  • ビジネスを「モノとカネの交換」という視点で整理して、「どのように儲けているのか、という観点でビジネスモデルを表現する」ものという理解。

あとで調べたのだが、公式サイトの説明が詳しいようだ。

あと、著者の板橋さんがいろいろな会社のビジネスモデルをピクト図解している記事などが公開されているのも興味深い。

なぞり書き

今回講師をしていただいたAkaponさんの講義の進め方で興味深かったのが、「なぞり書き」を使ったワークだ。資料は公開いただいている

  • ピクト図解は「書く順序」にポイントがあるらしい。
  • 簡単な例から始めて、説明を受けたモデルを「なぞり書く」事によって習得する。
    • 配布されたワークシートには正解が薄く書かれているので、これを声に出しながら「なぞり書く」のである。
  • これで、モデルだけではなくプロセスもよくわかったような気になったり・・・

ピクト図解とビジネスモデルキャンバス


Akaponさんの考察によれば、

  • ビジネスモデルキャンバスは「顧客視点」で書かれたモデル
    • 誰への価値提供
  • ピクト図解は「経営視点」で書かれたモデル
    • 何をいくらで

ということで、これは同意である。

ビジネスモデルキャンバスはお金に関する考察をしにくいという弱点があると前々から感じていた。また、時系列の変化も表しにくいというのも課題だと考えている。

ピクト図解はこの2点を補うことができるので、良い補完関係であるな、という感想。

「キャンバス × ピクト図解」を使ったワーク

さて、勉強会の最後は「キャンバス × ピクト図解」を使ったワークを実施した。
進め方や議論の内容はテーブル毎に異なると思うが、私のテーブルではこんな感じである。

  • 会場を提供していただいた某出版社の「新たなビジネス」を検討する
  • (すでに作成済みの)キャンバスを見ながら、ピクト図解で考える
    • 例えば「消耗品モデル」のパターンを組み込めないか?
      • 出版社で「消耗品モデル」を構想するのはけっこう難しい
      • 「ゲーム攻略本+ゲーム内チケット」を販売するのはどうか
      • デジタルよりはアナログで、トレーディングカード関係とか
      • 「仕事術+手帳」はどうか ←我々のテーブルでは「それだ!」と結論
    • 例えば「マッチングモデル」ではどうか?これもかなり難しい
      • 某出版社は特定のセグメントに特化しているので、これを生かせないか?
      • 例えば「著者と事業会社の間でセミナー開催の仲介をする」はどう?

こういった感じでいろいろと手書きながら議論して盛り上がったりしたのだった。


ピクト図解もキャンバス同様に「書いてみる」ことを通じていろいろと理解するツールだと思う。「書いた内容をワイガヤで議論する」というのはなかなか一人では経験出来ない。こういった勉強会を通じて、「素振り」をするのは重要だと考えている。