勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

「プロダクトマネジメントのすべて」前半を読んだ #デッドライン読書会

読むのがホネな(積みがちな)技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第32回。今回取り上げるのは「プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで」。(電子書籍なので実感がないけど)分厚い本なので今回は「Part.1 プロダクトの成功」から「Part.3 ステークホルダーをまとめ、プロダクトチームを率いる」まで。残りは次の2週で読む予定。

プロダクトマネジメントのすべて」の前半の感想

タイトル通りだが、プロダクトマネジメントに関する全方位的なガイドという位置付けになっている。
類書で言えば

などもあるが、本書はまず「アジャイル開発プロセス」に特化していない(推奨はしている)点と、日本企業における展開に重点が置かれている点が大きな違いではないかと思う。

著者の一人の及川さんといえば前著「ソフトウェア・ファースト」が有名だが、同書およびその前後のインタビューやプレゼンテーションを思い起こすと、「SIer主導のプロジェクトマネジメントから、ユーザ主導のプロダクトマネジメントに切り替えていくことを通じて、日本を良くす」的な意気込みが感じられる。そういう意味で、熱量のこもった良書だと思う。

また本書は当然プロダクトマネジメントについて書かれた本ではあるが、その要素の多くはリーダーシップ論でもある。そう言うい意味ではプロダクト開発に関わっていないエンジニアにとっても得るものが多いだろう、というのが前半部を読んだ感想。

各PARTの感想

PART 1.プロダクトの成功

プロダクトマネジメントに関する考え方およびフレームワークに関する説明。このフレームワークが著者らのオリジナルかどうかはちょっとわからないのだけれども、シンプルで見通しが良く、非常に使い勝手の良いものだと思った。

PART 2.プロダクトを育てる

Part.1で紹介されたフレームワークに乗っ取って、細かいテクニックを説明していくパートである。説明が丁寧であり、ケーススタディも付属するので初学者は大変学びやすい印象。ビジネスモデルキャンバスやリーンキャンバスなど、それ単体で一冊の本が出版されているようなテクニックも平易に解説されている。

PART 3.ステークホルダーをまとめ、プロダクトチームを率いる

うってかわって、チームをリードするためのテクニックに関するパート。一方で、国内ソフトウェア開発の現場で陥りがちな諸問題についてピックアップされており、このパートだけ切り出して社内勉強会をやっても良さそうな内容。

というわけで前半はなかなか楽しく読むことができた。後半を読むのも楽しみだ。