勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

BMGとリーンキャンバスの勉強会に参加した

年の瀬2012/12/26に行われた「キャンバス100本ノック・ビギンズ:忘年ビアバッシュ(BMGで何かやる #7 」に参加したメモと振り返り。ぶっちゃけ100本ノックしなかったけれども、今回もいろいろと気づきのある勉強会だったと思う。ビジネスモデルキャンバスは成果物として正座して創るものではなく、ワイガヤで描いていくものだと考えている。講義形式のセミナーやワークショップではなく、参加者でああでもない、こうでもないとコミュニケーションを取るのが重要ではないだろうか。

前回の参加レポートはこちら。

リーンキャンバスが描けなかった

今回はまず「秋葉原の居酒屋がランチ営業を行う」というテーマでビジネスモデルキャンバスを描いてみた。うまく描けたかというと微妙だけれども、描くことは出来た。

ここからリーンキャンバスを描こうとしたのだけれども、結果としてはうまくいかなかった気がする。なおリーンキャンバスに関しては私自身が大いに不勉強なので、以下の雑感は的はずれかもしれないので注意。

  • リーンキャンバスにおける「課題」の定義を誤ってしまった。事前の「ランチ営業」という先入観に捕らわれてしまったのだけれども、もっと本質的な課題を設定しなければリーンキャンバスの考察範囲が狭められてしまい、展開することができない。
    • おそらく「ビジネスマンが満足できる昼食が取れない」というあたりに課題を持っていく必要があった。そうすれば検討範囲は「ランチ営業」だけではなく、「仕出し」「店舗による弁当販売」「路上による弁当販売」などもスコープとして議論できたと思う。
  • リーンキャンバスそのものが、Webスタートアップに代表される「スケールしやすいビジネス」に特化されている(ような気がする)という気付きもあった。
    • 所与のリソース制約(店舗、ヒトなど)を活用するビジネスに対してはうまく表現できない印象。制約が邪魔をしてイノベーティブな思考が出来ない。
  • リーンキャンバスは顧客セグメント展開を行う。これが強力なツールとなるケースもある(特にWebスタートアップなどであれば)が、逆に制約でもある。
    • シンプルな価値=課題をスケール可能なインフラ上で展開するのであれば、特定セグメントに先鋭化することが武器になるのだと思う。しかし、今回検討したビジネスはそもそもうまくはまらなかった。
    • 安易に既存ビジネスをリーンキャンバスで検討するのは、おそらくうまくない。ビジネスモデルキャンバスを真面目に活用したほうがいいのだろう。

その他の振り返り・メモ

正直に言うと最初から酒が入っていたし、終わった後に外にでたらものすごく寒くて、記憶は大いに消し飛んでいる。個人的には非常に満足度の高いセッションだったと思うけど、人によって意見は違うだろう。

  • 参加者は10名程度。アジェンダはあったけれども飲みながら・食べながら・意見をかわしながらアジェンダにとらわれずにワイガヤでやった。
    • 冒頭にも書いたけれども、BMG自体がワイガヤを包含した手法なので、素振りとしては正しいと勝手に思っている。
  • 結局100本ノックはやらなかった。
  • 2時間たったところで延長戦(追加のピザが届くのを待つ)でやった「3年後年収2000万のためのビジネスモデルYOU(BMY)」はたいへん興味深かった
    • BMY自体は当然のことながらパーソナルなものになるので、リソースも当然「自分自身」になる。しかし、通常考えたら自分自身をどう使っても年収2000万を得ることはできない。
    • スケールするためには、「自分自身以外」について考える必要がある。会社、特許、著書、ブログ(バーチャルアバターとしての自分)など。
    • ビットの世界でのスケールはたかがしれている。自分のノウハウ販売で短期的にスケールするのは非常に難しい(ブログ、出版、セミナーなど)。