読書メモ。「無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい (ノンフィクション単行本)」を読んだ。「仕組み」というか徹底的なマニュアル化を行うことによって業務改革を行った無印良品の改革に関する本である。作ったマニュアルはMUJIGRAMと言うそうだ。
無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい (ノンフィクション単行本)
- 作者: 松井忠三
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 単行本
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コミュニケーションツールとしてのMUJIGRAM
本書によれば、無印良品ではMUJIGRAMというマニュアルを使っての業務実施とコミュニケーションを行っているとのことだ。MUJIGRAMというカッコいい名前はマニュアルと呼ばない為にわざと名づけている。
「マニュアル」と呼ぶと、仕事を厳密にコントロールするツールのように思われてしまいそうなので、独自の名前をつけることにしたのです。
(中略)
そこまでマニュアルを重んじていたら、社員やスタッフがマニュアルに依存してしまうのではないか、と思う人もいるでしょう。しかし、そもそもマニュアルは社員やスタッフの行動を制限するためにつくっているのではありません。むしろ、マニュアルをつくり上げるプロセスが重要で、全社員・全スタッフで問題点を見つけ出して改善していく姿勢を持ってもらうのが目的なのです。
無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい (ノンフィクション単行本)
第2章 決まったことを、決まったとおり、キチンとやる——「経験」と「勘」を排除せよ、より
- 名前はどうあれ、マニュアルはマニュアルである。
- とはいえ、マニュアルそのものよりも、作ることと維持することに大きく力を割いている印象。なにせ毎月変更される。
- マニュアルがイントラWebサイトのような形で提供されているわけではなく、紙で提供されているというのも意外。もちろん店舗スタッフの見やすさ等を優先した結果だからなのだろうけど。
- 確か無印良品は店舗バックオフィスが無い。レジの後ろのオープンスペースで事務をやることになっている。PCは使うだろうけど、そればっかりをしているイメージは無い。
ソフトウェア技術者的な勝手な妄想かもしれないけれど、MUJIGRAMは同社の本部と店舗で共有するユビキタス言語(共通言語)でありドメインモデルになっているような気がした。
自社GRAMは作成すべきなのか?
じゃあ、自社GRAM(自社版MUJIGRAM)を作ったほうがよいのか、というとちょっと微妙だと思っている。
- 対象とする組織(全社または特定部門)でどれだけコア事業を共有しているのか?
- 共有する対象のメンバーはどれだけいるのか?
あたりをよく考えてみないと効果は出なさそうな印象。情報共有する方法や、仕組み化をする手段は別の選択肢もある。
自分GRAMはどうか?
ちなみに本書では後半に「『自分のMUJIGRAM』をつくろう」という章もあるのだけれども、これはちょっとやりすぎ感がある。
マニュアルに沿った仕事をすると受け身になるといわれますが、それは他人がつくったマニュアルをそのままなぞっているからです。自分のマニュアルをつくれば、自分の仕事を俯瞰できるので、問題点や課題を見つけられます。
無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい (ノンフィクション単行本)
第5章 自分の仕事を「仕組み化する力」をつくろう——「基本」があれば「応用」できる、より
- このやり方だと「誤ったやりかた」を効率化していく方向性に進化していきそうで怖い
- もちろん、自分の作業の棚卸しやふりかえりは重要だけれども、何もマニュアル化まではしなくても良い気がする