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勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

マイ仕事術2017その1「マニャーナの法則」を読んでアップデート

Work Kindle book

ある時期から仕事術や手帳術に関する書籍は読まないようにしていたのだけど、いろいろなところで「マニャーナの法則」がオススメされたのでこの手の本としては久しぶりに読んでみた。いろいろと示唆があったので、整理してみる。

書籍「マニャーナの法則 完全版」の感想

ホワイトカラーで管理職で複数のプロジェクトを兼務している自分としては、いろいろと学びの多い良書だった。新入社員さんとか若手よりは、いろいろとタスク管理について煮詰まっている中堅以上のプレーヤー向けな印象。なおチケットやカンバンでしっかりと作業管理できているエンジニアなら、もしかすると読む必要は無いかも。個人的に良かった点は以下の通りである。

”理性の脳"と"衝動の脳" の話

あなたが仕事に仕事に追われるのはあなたの脳に原因があります。ですから、まずは脳の仕組みを知ることがベストな順番なのです。
仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則・完全版 CHAPTER01 ”理性の脳"と"衝動の脳"

本書ではあまり科学的な観点で説明されていないのだけれども、まさに「ファスト&スロー」の話から本書は始まる。

  • 人間には”理性の脳”と”衝動の脳”という2つの脳がある。
  • "理性の脳"より"衝動の脳"のほうが優位である。
  • "衝動の脳"をコントロールする事が重要。
    • コントロールするためのシステムを自ら構築する必要がある

という事が書かれているのだけど、以前に読んだ「ファスト&スロー」と組み合わせて考えても、とても腑に落ちる説明である(ちなみに「ファスト&スロー」は思考と判断を仕事に使う方には断然オススメ)。

ファスト&スロー (上)

ファスト&スロー (上)

ファスト&スロー (下)

ファスト&スロー (下)

「ファスト&スロー」は、直感的思考をつかさどる「ファスト」なシステムと、論理的思考を担当する「スロー」なシステムを使ってわれわれは意思決定をしているという事について書かれた本である。"衝動の脳"あるいは「ファスト」なシステム部分は高速で反射的に動作するが、印象や感覚に影響されやすく合理的な判断が不得意という困った代物である。というわけで、仕事をする上では“衝動の脳”をコントロールする必要があるというのは、自分としてはすごく納得できた。

マニャーナの法則

表題にもある、本書で紹介されている仕事術の根幹は次のようなルールである。

  • 新しく発生した仕事は「明日やる」を基本にする
  • 次々と作業を積上げるToDoリスト(オープン・リスト)ではなく、ここまでやると予め決定したその日の作業リスト(クローズド・リスト)を元に作業管理する

一つ目の法則は、"衝動の脳"をコントロールするためのシステムとして、目の前に飛び込んできたタスクにすぐに飛びつくのではなく、少なくとも1日置いて計画的に作業するため。二つ目の法則は1日の作業コミットメントを作り、締め切り効果などを作り出して効率的に作業するためのものである。これを根幹に、いろいろな具体的な実践法を紹介するのが同書のキモである。ちなみに本書を読まなくても以下のブログ記事などでざっくりとしたことはわかる。

マイ仕事術を2017版にアップデートする

というわけで、「マニャーナの法則」で読んだ事を踏まえ、仕事方法を少し見直そうと思っている。構想はこんな感じである。

タスクリスト駆動で日々作業する(継続)

もともと1日の作業は日誌を中心に管理をしているのでこれを継続していけば良いと思ってる。

  • 作業は日次のノートをベースに管理する
    • 日中は日次ノートに書かれたタスクリストだけを意識して働く
  • 前日までの積上げ+朝の15分でいったん当日に実施する作業を全て洗い出す
  • 飛込みの臨時作業も、日次ノートの末尾に書き加えてから、他のタスクとの優先順位を判断した上で実行する(衝動的に反応しない)
  • 作業実施の結果などのメモも随時ノートに付け加えていく(作業記録を取る)
  • 当日に終えなかった作業については、翌日のタスクとしてカレンダーに登録する
  • 結果として1日の作業が終わった段階で全て記録されている状態で仕事を終える

「マニャーナの法則」でも紹介されているが、飛込みの作業に対してすぐに取り掛かってしまうのは“衝動の脳”による行動であり効率的ではない。すぐに着手するとしてもいったんはきちんとタスクリストに落とし込んで、"理性の脳"でよく考えてから実行するようにしたい。

新規の作業は明日やる(新たな習慣として追加)

実はもともと、アタマを使う作業(分析、意思決定)は午前中にするように心がけている。

というわけで、従来より飛び込みの分析や検討タスクはその日にはやらず、翌日午前に消化するようにしていた。しかし改めて「マニャーナの法則」を取り込んで、新規の作業は全般原則として明日やることにしようと思う(もちろん例外はある)。

  • 翌日以降に先送りすることは、当日の作業を効率化効果(割り込みを減らす)だけではない。
  • 例えば一晩以上寝かせると、寝ている間に脳内で整理が行われることによって効率化されることもありそう。すぐに作業にとりかかったら見落としそうな課題や、より良い進め方のアイデアなどが沸いてくることは少なからずある。
  • また、外部からの依頼作業などについては1日待つと要望の内容が変化したり、キャンセルされることもあるので、「すぐにやらない」は割と重要。
  • 次の日(作業する日)の通勤時などに、どのように作業を片付けるかを少し悩んでおく時間が持てるのも良い。

作業に集中しやすい仕事の仕方(新たな習慣として追加)

何かの作業にとりかかったら集中的に(ダッシュで)作業をするようにする。これを実現するために、

  • タイマーなどを活用する(脳にプレッシャーをかける)
  • 休憩に行くのは「作業の切れ目」ではなく「次の作業の仕掛り(例えばファイルを開いたり1行だけ文書を書いた状態)」とし、戻ってきてからすぐに作業に復旧できるようにマインドハックしておく

このあたりは他の仕事術でも似たようなものがあったような気もするけれど、改めて習慣化したい

週次の作業ふりかえり(継続)

これは「マニャーナの法則」とはあまり関係ないのだけれども、いろいろな作業(プロジェクト)を兼務で抱えているので、ヌケモレが発生しないように週次で振りかえりを行い、見つけたヌケモレタスクについては翌週の日次タスクにしっかりと組み込んでいく。このあたりは以前に書いた。

仕事の効率を上げるには、優れたシステムが必須であり、優れたシステムが効率できるのであれば、時間と費用をかけても絶大なリターンがあります。
しかし現実には、多くの人が形だけ立派な役に立たないシステムを使っています。システムそのものがなかったり、そもそも目先の仕事で精一杯で、システム構築に目を向けることすらできない人さえいるのです。
仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則・完全版 CHAPTER02 問題はシステムで解決する

まったくもって、その通りだと思う今日この頃である。