勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

週報 / Snippetsのススメ

昔から習慣として「週報」を書くということをしている。最近発売された「 SOFT SKILLS 」という本を読んでいたら週報を書くことについて言及されていて面白かったので、「週報」についての自分の考えなどを整理してまとめてみた。

新しい会社に入るたびに私がまずしていたのは、何に時間を費やし、その日に何を達成したかを日録に書くことだ。その内容をもとに、毎週金曜日に週間サマリーを書いて上司に送ったのである。私はこれを自分の「週報」と呼んでいた。(中略)この週報は、私の存在をアピールするために役に立っただけでなく、人事考課の時期には自分自身にとっても役立つ資料となった。週報を読み返して、その年の主要な達成を拾い出せばよかったのである。自己評価を書くとき、私はその年にしたことを日付とともに正確に書けたのである。
SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル/第9章 出世階段の上がり方

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

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週報の習慣

別に自慢するようなことでもないし人に強制するようなことでもないのだけど、個人的には日次の作業ログと、週次のまとめ(いわゆる週報)は随分と昔から書く習慣になっている。指示されてというより、自発的に書いている。

  • 日次の作業ログは、もともとはお客様まわりのトラブル回避を目的に始めたような記憶がある。いわゆる「言った、言わない問題」に抗弁するため(その話は何月何日の会議で言われたと記憶してますが違いますか?と言えるように記録してる)。実際作業ログ何度も救われており、成功体験が習慣化を強化している。
  • 出来るエンジニアはログをつける、というハッカー文化への憧れ(?)
  • GTDブーム以降、始業時にタスクを洗い出して着手するスタイルになったので、これに実績を書き込んで日次ログを作成。
  • 最近はGoogle Calenderと連携してEvernoteに日次作業ログのたたき台を自動作成して若干省力化。
  • 週報はだいたい週末に、その週の日次ログと積み残しのタスクリスト、次週のカレンダー等をインプットに週のふりかえりを行いながら執筆。GTDで言う「週次レビュー」の代替としてやる感じ。
  • 書いた週報をメールで関係者に送付。2レベル上の上司、直上司、関係するグループの同僚を宛先に入れる。
  • プロジェクトによっては計数の報告を定期的に行うこともあるけれど、それとは別扱い。
  • 反応はほとんどないけど、何かあった時などに「ああ、あの話ね」で済むので便利。
  • 体調不良や家庭の事情で休む時も引継ぎが楽なのもメリットである。

週報のフォーマット

自分のよく書くパターンはだいたいこんな目次。

  • ロール別のトピック
  • プロジェクト別のトピック
  • ネタ、雑感(最近読んだ本、技術ブログ紹介やプライベート関連トピックなど)
  • 来週の予定サマリー

それぞれの項目について普通に文章でやったこと、次にやることを書いている。ただ、前週の内容をコピーして追記する形式にしないように気をつけている。たとえばこういう記述にはならないようにしている。

プロジェクトAについて、顧客XからZZZの指摘あり。
(7/29)調査中だが十分な時間が取れず。整理に時間を要する状況
(8/5)顧客Xから確認の連絡あり。

コピペばかりの変化に乏しい文書は読まれなくなる。週報は勝手に送りつけているのだけれども、読んでもらえる文章で出すのが礼儀である。また内容を整理することで頭の整理もできるのではないかと考えている。

7/22、顧客XからプロジェクトAについてZZZの指摘着弾。他作業の兼ね合いで前週に回答出来ず。
当週改めてトレースの連絡を受けるが、どのように回答すべきか悩んでいる状況。次週初最優先で対応予定!

あと、こころがけているのは関係者に対するお礼の表明。もちろん個別適時に本人には「ありがとう」「たいへん助かりました」「よろしくお願いします!」みたいな声かけや連絡はしているのだけれども、週次のタイミングでも改めて感謝を表明するようにしている。もちろん忙しくてスッ飛んでしまうこともあるけれど。

週報を書く習慣の良いところ

個人的に「一定サイクルで何かをやる」ということを重視している。だから、自分のワークスタイルでは「週報」のリズム、ハートビート間隔は非常に重要なイベントである。「週報」を書くタイミングで、一週間前に自分が考えていたこと、計画とのギャップを振り返ることができるし、向こう一週間以上のすごし方を考え、作戦を見直す良いきっかけになっている。

またリズムがあるというのは、自分と仕事上で関係のある人たちにとっても良いことだと思っている。リズムがあれば、同期がしやすいのだ。べつに必要な時に聞いてもらっても良いのだけれども、割とたいていのことは週末私から発信されるメールに(たぶん)書かれている。急がない事柄であれば、週末まで待ってもらえればアップデートは配信されるし、もしくは前週の週報に書いてある。自分が繁忙でアップアップしてる時には「ごめん、いったん先週の俺の週報見て!」とか「今週末の週報にコメントしておくから週末まで待って〜」とか言えるので、便利でもある。

というわけで、今週も自分勝手に週報を書いて皆に送りつけるのである。