勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

「ビジネスモデル・イノベーション」のケースを作ってひたすらキャンバスを描く会にいってきた

勉強会メモ。タイトルの通りなのだけど、勉強会でBMGキャンバスを描いてきた。書籍「ビジネスモデル・イノベーション」は未読・未購入だけど問題なし!キャンバスを描いて気付いたことなどについて書いてみる。なお本記事に書かれているBMGキャンバスは事例研究のテーマであり、正確性も正当性も無いものである。

ビジネスモデル・イノベーション ブレークスルーを起こすフレームワーク10

ビジネスモデル・イノベーション ブレークスルーを起こすフレームワーク10

素振り:クッ◯パッドのビジネスモデルを描く

まず「BMG」やBMGキャンバスを知らない参加者のために、参加者全員でビジネスモデルを描くというワークから。その場で適当にテーマを決めていて「◯ックパッド」に決定。だいたい20分くらいでこんな形に収まった。
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時間もないので意見交換はあまりしなかったのだけど、描いたモデルを見ながらこんなことを考えていた。

  • アダルト業界がインターネットで提供される無料のエロに駆逐されていく、という現象と割と似ているような気がしている。「レシピ」と「素人エロ」の類似性というか、どちらもプライベートな世界に情報はいっぱいあって、流通するプラットフォームを作ってしまえば勝てるといった印象がある。
    • そうすると、最近ちょっと話題となった「グラドル自撮り部」とかも同じ考え方でサービスできるような気もする。自撮り流通プラットフォーム。
  • どのようなシチュエーションでこのビジネスモデルが崩壊するのかも考えて見た。やっぱり、外部から「世界一のレシピサイト」またはそれを越えるものが出現するとヤバそうだ。
    • 例えばグーグルが「Googleレシピ」みたいなものをリリースしてくるとか。料理の写真から機械的に材料と調理法をリバースするみたいなものが発明されたり。

「ビジネスモデル・イノベーション」のケース

さて、次は本編ということで、書籍「ビジネスモデル・イノベーション」に書かれている事例からいくつかピックアップしつつ、各テーブルで議論しながらモデルを描くワークへ。

自分のテーブルでは「ハリー・ポッター」と「レゴ」をチョイス。後で気付いたのだけど、この二つは意外と対照的なモデルになっていて面白かった。ちなみにそれぞれ20分くらいで描いたもの。

というわけでまずは「ハリー・ポッター」から。
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  • 書籍「ビジネスモデル・イノベーション」では、このビジネスは「フランチャイズ」に分類されている。なんで?と思いながら議論していくと、確かに「フランチャイズ」なモデルになっているのであった。
  • このモデルの核は非常に質の高い「物語とその周辺」である。「ハリー・ポッター」は小説が完結していて続きは出ないのだけど、これは核の価値を落とさないためには重要な戦略である気がする。第2シリーズとか始めて、評判が下がったらダメだということだ。
    • 類似のモデルは「STAR WARS」なんだろうけど、こちらは物語を拡張し続ける戦略を取っている。おそらく質を落とさないということにものすごく力を入れているのだろう。

つぎは「レゴ」。
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  • 書籍「ビジネスモデル・イノベーション」では、このビジネスは「イノベーション」に分類されている。確かにレゴが持つモノとしての面白さ(心地よい操作感)と、高い互換性が「イノベーション」なんだろうと理解。
  • 参加者の知識として、レゴ社は10年くらい前に経営悪化していたというものがあったので、「それ以前のモデル」と「付け加えられたものは何か」という観点で話し合ったのが面白かった。
  • 類似性のあるモデルとして「人生ゲーム」「どんじゃら」などのゲームが上げられていた。核となるものを、バリエーションによって更新していくという点がポイントであるような気がする。
  • ハリー・ポッター」のモデルは、ライセンスを販売していくのに大して、「レゴ」のモデルは(バリエーションを増やすために)ライセンスをどんどんと取得していくことになる。この対称性が興味深かった。

あくまで頭の体操なのだけれども、今回もなかなか頭を使うことができて楽しかった。主催者だけでなく、参加いただいた皆さんにも感謝したい。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

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