勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

「プロダクトマネジメントのすべて」をすべて読んだ #デッドライン読書会

読むのがホネな(積みがちな)技術書やビジネス書を取り上げて2週間の読書期限を課して読んでアウトプットする仮想読書会「デッドライン読書会」の第33回。今回取り上げるのは「プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで」。前回Part.3まで読んだので今回は残りを読んだ感想。

プロダクトマネジメントのすべて」の後半および全体の感想

総論として言えば、非常にコストパフォーマンスの良いテキスト。もちろん多くの情報はネットから取得することも出来るが、断片化しやすい。必要になったときに一冊にまとまっていることの価値は大きいだろう。今後、何度も本書は開くことになるんだろうなぁ~と思いながら読んだのであった。

特に良いと思ったのが

  • 日本のマーケットを意識して書かれていること(洋書にありがちな、不要な情報が無い)
  • バズワードでもあるDXなどを取り上げていないこと
  • アジャイル開発を工程しつつも、あまり意識しない内容になっていること

というところで、要はエンジニア向けのマニアックな内容になっておらず、バランスが良いというのが全体的な感想。普通の人が参加する読書会で読めそう。

前半の中心はフレームワークに基づく構造中心の話だった。ちなみに本書の中では名前がついていなかったが「仮説のミルフィーユ」という呼び方らしい。note.com

では、本書の後半はというと「戦略とスケーリングの話」「組織と教育の話」そして補足的な「基礎知識集」である。
まさにフレームワークを使った実践編のような章であるが、勝手な推測としては著者の及川さんや曽根原さんのノウハウが抽出されて記載されてそうな印象である。
曽根原さんのUdemyのコースは非常に興味深い。いつか受講してみたい。
www.udemy.com

読み終わって考えたこと

本書の最後のページには、この種の書籍によくあるように参考文献ページがあるのだけれども、「おっ」と思ったのはUdemyの講座がいくつか記載されていることだ(著者の一人である曽根原さんの講座)。
www.udemy.com
本書は良質なテキストであると思うのだけれども、やはりとっかかりでしかないというのも確かで、実践と情報収集を繰り返していくべき分野であることは確かなのであろう。
そういえば本書の17章「プロダクトマネージャーのスキルの伸ばし方」では「プロダクトマネージャの1日」がチャート図つきで紹介されている。詳細は原文を参照いただきたいが、

  • 起床8時
  • 9時から業務開始で、1時間はニュースチェックやSlackのキャッチアップ
  • (休憩をはさみつつ)20時半ごろ仕事は終了
  • 22時から23時半までは「自己学習タイム(オンラインコースや海外のオンラインセミナー受講、語学学習、読書、国内や海外のアプリ比較など)」

である。この過ごし方に違和感を持つような人は、なかなか難しいのではないか。

気になること

本書を読み終えて、関連情報をいろいろと調べていたところでひっかかったものに「DIA for PM」がある。
exawizards.com

  • 有償のオンラインアセスメント
  • 本書の著者でもある及川さん、小城さんが開発にかかわっているみたい

うーん、気になるぞ。ゴニョゴニョするか今後考えよう。

さてこれで本書の読了デッドラインも守れた(良かった)。年内あと1冊くらいか。

あたりはすぐにでも読みたい。
あと、ここらへんをチェックしてもいいかも
www.shoeisha.co.jp