勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

ビジネスチャットの文章は短く、という話

仕事のコミュニケーションが電子メールからチャットに移行しつつある今日この頃、やっぱり文章は短く書いて欲しいという話。
Notes

ビジネスチャットの文章術

  • 短く書け(目安としては150字以外)
  • メッセージ、伝えたいことを中心に
  • メンションは最小限に(伝える必要の無い人のアテンションを取らない)
  • メッセージを補足する情報やデータは外出ししてリンクしろ

これくらいに気をつけると良いと思っている。ソーシャル慣れしている人はいいんだけど、不慣れな人ほど守れていない印象。

短く書け

重要事項だからと言って長文にするな

時々「重要なことは長く書かないといけない」と勘違いしている人がいるけれども、重要度と文章の長さは関係無い。むしろ長文だと理解するのに時間がかかるので、重要なことであるほど短く書いて欲しい

長い内容はパラグラフ単位に分割して投稿しろ

パラグラフの長さは諸説あるが、150文字くらいが良いと思っている(私は「超」文章法 (中公新書)における短文の定義を目安にしている)

パラグラフ内では一つの事を伝えろ

よく、「一文一意主義がよい」と言われる。賛成だ。私は、もう少し少し進めて、「一パラグラフ一意主義」を採るのがよいと思っている。つまり、一つのパラグラムに異質な内容を盛り込まない方がよい。
とりわけ、パラグラフ内での論理の逆転は、できるだけ避けるべきだ。つまり、同一パラグラフの中で、「しかし」という接続詞が現れるのは避けるべきだ。
論理を進めるには、複数のパラグラフが必要である。それらのパラグラフは、「したがって」、「なぜなら」、「しかし」などの接続詞で結ばれる。
日本人には、「パラグラフ」という概念を意識しない人が多い。文章が読みにくくなる一つの原因は、パラグラフの構成が不適切なことだ。とりわけ、右で述べた「一意主義」が守られていないことである。
「超」文章法 (中公新書)

仕事の文章の文は、短く、短くと心がけて書くべきである。
ある人は平均50字が目標だという。本書の1行は26字だから、ほぼ2行。私も短く、短くと心がけてはいるが、とてもその域には達していない。
私の考えでは、本質的な問題は文を頭から順々に読み下してそのまま理解できるかどうかであって、すらすらと文意が通じるように書けてさえいれば、長さにはこだわらなくていい。ただ、長い文はとかく読みかえさないと判らないものになりがちだから、「短く、短く」という心理が強調されるのだと思う。
理科系の作文技術(リフロー版) (中公新書)

メッセージ、伝えたいことを中心に

報告なのか、連絡なのか、相談なのか。情報共有なのか。何を伝えたいのか。これを明確にして書くべきである。
以下のようなステップを踏んで文章を書くと良い

  1. タイトル(件名)を考える。タイトルには目的(報告、連絡など)をキーワードとして含めるのがおすすめ
  2. 本文を書く
  3. 本文が書き終わったらタイトルが適切か再確認する(不適切だったら見直す)

メンションは最小限に

電子メール中心時代の名残りで、CCに組織グループアドレスなどを入れる感覚でやたらと広範囲にメンションする人がいる。
共有されたチャンネルやチャットにポストしている時点で全員に届いているので、無駄なメンションを入れる必要は無い。
ちなみに個人的には無駄メンションを連発する人には個別に指導するようにしている(想像力の無い人に多い)。

必ず返信をして欲しい人など最小限にメンションはすべきだ。

メッセージを補足する情報やデータは外出ししてリンクしろ

本体のメッセージを補完する補足情報やデータをメッセージに頑張って埋め込む人がいるが、リンクでいいんだよ。
補足情報(たとえばレポートや詳細なデータ)は必要に応じて読者が見れれば良いし、必要でなければ見なくて良いように発信したほうが効率的。

文章力を強化するには?

今回の記事でも引用したけど、私の第一のオススメは

「超」文章法 (中公新書)

「超」文章法 (中公新書)

である。もしかするともっと良い本が近著で存在しているかもしれないがチェックは出来ていない点に注意。