勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

リモートファシリテーターのポケットガイド読んだ

The Remote Facilitator's Pocket Guideという本が発売されてて読んだら面白かったので紹介する記事。本自体は短いのでさらっと読めます(個人的なな感想)。私はオライリーのサブスクをGoogle翻訳して読んだ。

本書について

ざっくり感想

ある程度は、この数か月の在宅勤務シフトなどで学習済の事柄であったが改めて俯瞰して見ると学びが多かった。あと、本記事では紹介していないが、セッションで利用するプレゼンテーション(筆者たちはGoogleスライドをよく活用しているようだ)のイメージが提示されていて、いくつかはさっそく取り込んで活用している。というわけで、なかなか現代にとっては良い本だと思う。きっと似たような本はこれからいっぱい出版されるんだろうな~

リモートファシリテーターとは

  • 本質的には通常のファシリテーターと変わりない。参加者が貢献して協力できるようにする条件を作成することに責任を負う役割である。

リモートファシリテーターのための6つの原則

原則1:平等な機会の創出(Create Equal Opportunity)

  • できれば全員がリモートで参加する
  • フルリモートセッションが出来ない場合は、会議室で誰かがリモートメンバーの仲介人になる
  • 会議の初めに技術的なチェックを行う
  • 仮想ホワイトボード/仮想付箋として機能する補助ツールを準備しておく
  • グループで意思決定を行うための準備(投票など)を準備しておく
  • 資料を読む時間を作る(セッション開始時の冒頭5分など)
  • 観察し、セッションに参加できていない人をフォローする

原則2:フローを有効にする(Enable Flow)

  • 会議の流れに介入して、円滑に目的地に到達できるように促す
  • アジェンダとセッションルールを最初に示す
  • 共有編集できるビジュアルドキュメントを活用する
  • 参加者が自分の感情等を表現できるツールを用意する(休憩したい、離席する、次のテーマに移りたい)
  • 現在地を共有する(スライド5を見てください/質問がある場合はスライド10に追加してください)

原則3: ビジュアルによるガイド(Guide With Visuals)

  • ビジュアルドキュメントを活用する(ホワイトボードの代替として)
  • 明確な指示をして認知負荷を下げる(会議の手順などを図示する)
  • 会議の約束事を明示する
  • 結論を視覚的に記録する(全ての会話を覚え続けなくてよくする)

原則4:つながりを育む(Nurture Connection)

  • チェックインの質問で会議を始める
  • 小グループに分割する
  • お手本になる(ファシリテーターの所作は皆に影響を与えやすい)
  • 状況についてよく観察する(食事はした?休憩はできている?タイムゾーンの差は考慮できてる?)
  • セッションを観察して、質問する(Aさん、喋っているようですが、ミュートになってますよー)
  • 退去を許可する(このテーマに意見の無い方はここで離脱してかまいません)

原則5:遊び心のある学習を可能にする(Enable Playful Learning)

  • 遊び心のあるマインドセットで参加できるアジェンダを作る
  • 賢い問いを発する
  • 楽しくて意味のあるビジュアルを使う
  • 音楽を活用する
  • 笑いを誘う

原則6:道具を使いこなす(Master Your Tools)

  • セッションも目的から始める(ツールに対して最適化してはいけない)
  • 事前準備重要
  • 必要であればピポットする
  • バックアップを準備する
  • セッションと成果物を分離する(セッション中に資料を美化したくなる衝動から離れるため)