勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

ゲリラでない採用面接ガイド(自分用)

ほぼ自分用メモ。人材の採用面接はいつも悩ましくて、いろいろ調べたり考えたりしている。いっぽうですぐに調べたことを忘れてしまう(だって人間だもの)のでストアしておく記事。定期的に更新していきたい。

現時点の採用面接の基本方針

所属組織のガイドラインはあるのだけれども、個人的にはいろいろと改善していきたいと思っている。というわけで現時点の方針は次のような感じ。

  • イントロダクションで面接の流れを説明する
  • 面接官(自分)の自己紹介をしっかりする
    • その後の質疑応答をスムーズに進めるために、面接官のレベルを(出来れば)把握してもらう
  • 予め決めた評価軸に沿って評価する(思いつきで質問しない)
    • アドリブを否定するものではないが、あくまで点数をつけるために必要な質問をする
    • このあたりの詳細はGoogleのワーク・ルールズ本が詳しい
    • 評価軸は秘密
  • 妥協しない
    • 短期的な視点(例えば今すぐ、どうしても人が欲しいとかで)で決定しない

参考文献(順次追加予定)

デマルコ / デッドライン

古典その1。

デッドライン

デッドライン

正しい管理の四つの本質

  • 適切な人材を雇用する
  • その人材を適所にあてはめる
  • 人びとの士気を保つ
  • チームの結束を強め、維持する

(それ以外のことは全部管理ごっこ

常にこの言葉に戻るようにしている

Joel on Software / 採用面接ゲリラガイド

古典その2。

Joel on Software

Joel on Software

面接の前に、私は候補者の履歴書を読み返し、面接のプランを紙切れに書き出すようにしている。プランと言っても、要は私が聞きたいと思っている質問のリストだ。次に挙げるのはプログラマの面接で使う典型的なプランだ。

  1. イントロダクション
  2. 候補者がやった最近のプロジェクトについての質問
  3. 簡単なプログラミングの質問
  4. ポインタ/再帰の質問
  5. 答えに満足しているか?
  6. 質問は?

面接の終わりに、その人が頭が良く物事を成し遂げる人だと納得させてくれ、4人か5人の他の面接者も同じ意見なら、あなたはその人を雇ってもたぶんまずいことにはならないだろう。しかしもし何であれ疑念があるなら、誰かもっといい人の現れるのを待った方がいい。

ほんこれ。

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

要するに、ほとんどの面接が時間の無駄なのは、面接者が最初の10秒で得た印象を確証するために99.4%の時間が費やされているからなのだ。「あなた自身について聞かせてください」「あなたの最大の弱みは何ですか?」「あなたの最大の強みは何ですか?」。こんな質問には何の価値もない。
多くの企業で採用されているケース面接や難問奇問にも、同じく価値はない。(中略)
こうした類の質問でわかるのは、せいぜいのところ、訓練すれば改善できる個別のスキルにすぎず、受験者を評価する役には立たない。最悪の場合、こうした問題は相手の知らない取るに足らない情報や知見を土台にしているため、面接者を賢くなった気にさせたり自己満足を感じさせたりするだけに終わってしまう。

おっしゃるとおり・・・

Joy, Inc. 役職も部署もない全員主役のマネジメント

メンロ ーでは密接に協力しあいながら仕事をする 。ゆえに 、最初のインタビュ ーでの必須事項は 、 「幼稚園レベルのスキルを持っているか 」だ 。礼儀正しくしているか 、周りとうまく遊べるか 、人と分けあえるか ?

最近のプロジェクトでは本当にこの要素の重要性が高まっていると思う。

NETFLIXの最強人事戦略~自由と責任の文化を築く

NETFLIXの最強人事戦略?自由と責任の文化を築く?

NETFLIXの最強人事戦略?自由と責任の文化を築く?

最適な人材を探すうえで大切なのは、「カルチャーフィット(文化の適合性)」ではない。カルチャーフィットがよい人とは 、一緒にビ ールを飲みたい相手だというくらいの意味しかない 。この方法で人材を探すのは 、往々にして激しくまちがっている。会社が必要とする仕事に合致したスキルをもつ人材には 、じつにさまざまな個性をもった人がいる 。

これは興味深い指摘だと思う。というわけで個人的には「所属組織に向いているか」という観点での評価はしないように心がけている(むしろ、自組織の特徴をしっかりと相手に伝えて、相手側で判断してもらうようにしたいと思っている)。

アジャイルエンタープライズ

アジャイルエンタープライズ

アジャイルエンタープライズ

第21章 アジャイルで使える人事制度を考案する

従業員を大切にする文化を築きたいなら 、内発的に動機付けされた従業員がいれば実現できるでしょう 。ここで疑問となるのが 、内発的に動機付けされた従業員を採用するときに 、 HRは何を求めるべきかです 。これについては 、自律性 、熟達 、目的についての考えを聞きましょう 。たとえば 、以下のような質問をするといいでしょう 。

  • 何を学んでいますか ?
  • 最後に読んだ記事は何ですか ?
  • 何について興味がありますか ?
  • 習得したいと思っているスキルはありますか ?
  • 仕事の自律性についてどう思いますか ?
  • プロダクトを作るときに 、顧客はどのような役割を果たしますか ?
  • コラボレ ーションを促進する方法は何ですか?

Joy,Inc.本と同じだが、最近このあたりの重要性が高まっていると思う。