勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

WFとアジャイルと超高速開発・・・

ソフトウェアの開発プロセスの比較記事?を読んだ感想というかメモ書き。なお詳細が書かれていると思われる「ユーザー企業ソフトウェアメトリックス調査2015」は未刊行なので、うわべを見ての野次馬コメント。

ウォーターフォールとの比較はちょっと無理筋な気が・・・

  • そもそも2015年のアンケート調査対象が「アジャイル型開発・超高速型開発」に限定されている。それだけでなく「ウォーターフォール型開発であっても高速ツールを用いている場合は超高速型開発に分類」という設問になっているのがミソ。
  • 超高速型開発の定義がゆるやか。「設計情報をリポジトリーに保持するツール、あるいは、独自のフレームワークや処理パターンを提供するツールを採用した開発を行うタイプ」
  • よって、わりと超高速型開発にはウォーターフォール型プロジェクトが含まれてしまっている気がする。

超高速開発の総費用が他の開発に比して低いというのも・・・

  • 「超高速開発」事例で最も多いのが「既存システムの再構築」となっている。察するに、割と大規模で画面数が多いプロジェクトが複数含まれていて、超高速開発の生産性を押し上げている印象。
    • Juasの公開資料を見ると、超高速開発で規模100人月以上が37%もあるので、これらは高速ツールの利点を大きく活用するシステム再構築プロジェクトであると思われる(上記30%のプロジェクトは画面数300以上だ)。
  • 次に多いのが「個人またはチームの業務支援」で、これはドタ勘だと規模がすごく小さいものと推察。Kintoneなどを使った開発組織が自部門で使うようなツールなのではないだろうか・・・
  • というわけで、超高速開発の総費用が低いのは当然であり、自然なことだと思う。

(超高速)開発ツールカタログは興味深い

  • まぁ、これは興味深いの一言。
  • ツールベンダーの協力の下の調査ということで、OSSなどがピックアップされていないのが残念(というか、そんなものは無いのかな?)