勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

電子メールとの付き合い方

電子メールに関するブログエントリを立て続けにいくつか見たので、自分の使い方を整理してみた。ソフトウェア開発に従事しているからということもあるが、電子メールは一日中使っている大事な道具である。一日中使っているということは、些細な使い方の違いが大きく生産性や仕事の精度に影響するということだ。しかし、「正しい使い方」というものはなく、またこれを学ぶ機会もあまり無い。時々、見なおしてみるのも良いかと考えている。

受信時の心がけ:未読ゼロにする

ときどき他人のモニタを覗きこんで、数百件のメールが未読になっているのを見てびっくりすることがある。もちろん関わっているプロジェクトにもよるのだけれども、わたしは未読を残すことはあまりない。そもそも「後で読まなければいけないメールがある」という状態が精神的に負担なので、まずいったんは全部既読の状態にしてしまっている。

  • まず使用しているメーラの機能を確認して、最速でメールを処理できるようにする。
    • 「既読」「未読」「次のメールへ」「アーカイブする」などのアクションのショートカットを確認する
    • OutlookやNotesなどを利用する場合は、「N秒で既読にする」ような設定があるのでこれを1秒に設定
    • できるかぎりマウスを利用しないでたくさんのメールを処理できるようにする
  • 見る必要の無いメールは極力減らす
    • メールマガジンや自動配信される類のメールで、基本的に目を通す意味が無いものは潔くブロックする
  • メールを読む時には「読むこと」だけに集中して全部読む
    • 返信しなければいけないメールなどがあれば、フラグを立てたりメモを取ったりするだけにする
      • 私はアナログ派なので基本的に手帳に書きだす
    • 返信は不要だけれども何らかのアクションが必要なメールについても、メモを取ったりする
    • 返信も不要で読めば終わりのものは、「アーカイブ」機能があればアーカイブして抹消してしまう
    • メールの内容による手動フォルダ振分けや、ラベル付けは一切しない
      • 自動でやるのは別だけれども、全体的に大いなる時間のムダだと考えている。
      • やり始めると、完璧を目指してやみくもに時間を浪費してしまうので一切やらないのがお勧め
  • 出来る限り読む量を最小化する
    • メールの末尾に付いている過去のメール引用などは極力見ない
      • こっそりとインラインコメントされていると死亡するのだけれども、それを拾う労力に見合わないので引用部分は読まない。
      • 同じ文章を何度も読むほどムダなことは無いと思う
    • 長いメールは結論を探して読んで、問題無ければ閉じてしまう
    • 議論のキャッチボールが続いているようなメールも、議論が終わっていない事を確認して内容を見ない
      • 議論が終わってからまとめたほうが効率が良いから
    • 一つのテーマの議論はスレッド表示でまとめて読む

Gmailには色々な特徴や機能がありますが、私がとりわけ気に入っているのは「アーカイブ」です。これによって、以前まで使っていたメーラーなんかと比べて圧倒的に生産性が上がりました。もう「アーカイブ」を使わない生活には戻れません。

発信時の心かげ:リアクションされやすく

電子メールは単なるコミュニケーションのひとつの手段である。必要なリアクションを相手がとってくれることがゴールなのだから、出来るだけそうなるように手をつくして発信するのが正解だと考えている。

インライン表記をしない

受信時の心がけにも書いたけれども、インライン表記は読者の負担も大きいので極力使わないようにしている。インラインが必要な場合も、必要な箇所だけを抜粋するような形が好みである。

In-Reply-Toを適切に使う

メールを見ていて一番腹立たしいのは、全員に共有すべきではない会話のキャッチボールを強制的に観戦させられてしまう時だろう。自分が発信した電子メールでこれを防止するには、In-Reply-Toを適切に設定するようにすればいい。

  • In-Reply-Toが設定されていれば、「全員返信」の時の宛先を発信者にて設定することができるので、全員返信を防止できる
  • 例えば「アンケート」とか「飲み会の出席確認」のメールなどは、特に気をつけたい。
    • 飲み会に対する「参加しまーす」「欠席!」みたいなメールのやり取りを目の前でやられると発狂しそうになる。貴様の出欠なんか興味無いんだよ!人生を欠席しろ!

なお、この記事に書かれているアンケートや飲み会の出欠確認であれば、そもそもメール発信が向いていない。ファイルサーバ上の共有ファイルや、各種の情報共有サービスを活用して収集すべきだと思う。

添付ファイル、リンク等に対する概略を記載する

伝達したい内容がメール本文だけで簡潔せず、添付ファイルやURLリンクなどでの補足が必要な場合もある。その際には個人的な心がけとして、出来るだけ参照先の概略を書くようにしている。参照先を開いてもらえるかどうかは相手先の状況や忙しさに依存するので、送付するならそれなりに準備をすべきというのが個人的な考え方だ。

スレッドを考慮してメールを発信する

メールを「どのように読む」かは相手次第である。相手がスレッド表示を活用してメールを読んでいることも考慮して、メールは出すべきだと考えている。

  • 宛先の設定が面倒だという理由で、適当なメールに対する「全員に返信」などを流用してメールを作らないようにする
    • 知らない人向けに補足すると、メールを「新規作成」した場合と、「返信」で作成した場合には違いがある。後者は元メールの情報を引き継いでしまうことがあるので、スレッド表示が狂ってしまう。
    • ちなみに主にIT企業の管理部門などから来るスレッド無視のメールによって、むしろわたしが気が狂ってしまう(ということに気づいてほしい)
  • 同じ宛先のメンバーに関する議論であったとしても、テーマが変わったら別のメールを新規作成して議論を継続する

メールを出したら終わり、ではない

まあこれは言わずもがななのだけれども、メールを出すことと相手がリアクションをしてくれることは必ずしも結びついていない。必要に応じて電話するなり他のチャネルも駆使して効率的かつ確実に連絡を取ることが重要だと思う。