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勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

フォードのエベレストプロジェクト

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント」で言及されていたシステム開発のトラブルプロジェクト事例「フォードのエベレストプロジェクト」について調べてみたメモ。2004年のシステム開発失敗事例の模様。

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

フォードのエベレストプロジェクトを考えてみよう。ドットコム時代の巨大なプロジェクトで、さまざまなサプライヤー向けに別々に作られた30もの購買調達システムを一つのWebシステムに統合しようとしていた。2004年、フォードは助かりそうにないITプロジェクトをついに中止した。すでに4億ドルも投資していた。1億ドル投資したあとに、プロジェクトの中止を何回見送ったと思う? もう1億ドル投資すれば、予定どおりに挽回できますと宣言したのだろう。で、さらに2億ドルを追加し、そして……ついに中止した。4億ドルをどぶに捨てたあとで。
ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

概要

  • 1999年エベレストプロジェクト開始。30種類の異なる購買システムと調達システムを、複数の階層のサプライヤーが利用する1つのWebベースのシステムに統合し、コストのかかる手作業の調達作業を自動化するのが目標。
  • 2000年よりアプリケーション稼動開始。「ローリング・ローンチ」方式で段階的に現行システムから新システムに移行する計画。
  • 2004年 プロジェクトを中止し、実績のある現行システム(メインフレーム)に戻すことを発表。

問題点

  • コストの増加。初期見積りでは2億ドルだったが、作業が進むにつれて膨れ上がり、プロジェクト中止前には4億ドルに達していた。
  • 使いやすさの欠如。エンドユーザである自動車部品のサプライヤにとって使い易いシステムを構築できなかった。新旧システム並存の状態での業務の実施が困難なことに加えて、新システムでは多くの機能が不足しており、新システムに移行するインセンティブも無かった。
  • 困難な統合。チーム間のコミュニケーションに問題があり、サブシステム間やセキュリティ、基盤、CRMといったコンポーネントの統合がうまく出来なかった。
  • プロジェクトのゴールそのものが非現実的、野心的すぎた。

感想

  • さすがに13年前の事例ということもあり、あんまり情報が無かった。論文類もちょっと調べたけど、あまり言及が無い印象。
  • とりあえず、壮大なプロジェクト名をつけるとずっコケた時に悲しいのでよろしくない。
  • サンクコストを考える事例として名前くらいは覚えておくか・・・