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勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

2014年に読んだ68冊からお勧め図書を選んでみる(文芸、ビジネス、技術書)

book

昨年は(ほぼ)毎月読んだ本をブログに記録してみていた。トータルで68冊(雑誌、コミックスを除く)になる。今の忙しさであれば順当なペースといったところ。せっかくなのでこの1年の読書の中から改めてお勧めできる本を分野別にピックアップしてみる。なお、昨年発売された本には限らない。単にわたしが昨年手に取ったものからのピックアップである。
http://www.flickr.com/photos/9172731@N03/4240417572
photo by Natalia Romay Photography

文芸

ビッチマグネット (新潮文庫)

ビッチマグネット (新潮文庫)

いきなり2009年の本を紹介して何だけれども、非常に爽やかな読後感が素晴らしい舞城王太郎さんの青春小説。読了後の気分が兎に角良かったのだ。本作は池澤夏樹さんが「終わりと始まり」というエッセイ集で絶賛していた(後で知ったけれども芥川賞選考委員としても高い評価をしていた)ので手に取ったもの。舞城王太郎さんといえば昨年は「ディスコ探偵水曜日」という強烈奇天烈な作品も読んだのだけど、面白いがこれは万人向けではない印象。

比較的よく読むSF小説というジャンルでは「know」はソーシャルネットワークの普及する現在と地続きだけどきちんと未来を描いていて良かった。ちょっとライトノベル風味が強いけれども。「HHhH (プラハ、1942年)」は最後まで読んだときの驚きは素晴らしいのだけれども、そこに至るまでの道が険しすぎる気がする。2014年本屋大賞翻訳小説部門第1位だったそうで、そういう意味では珍しくブームのうちに読み終わったものだ。

ノンフィクション

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

ビルゲイツが2013年に読んで記憶に残った本と評されているくらいで、実際に非常に知的興奮を味わえる本だと思う。読んだ後、世界が変化して見えるのだ。以下に感想を書いているので興味あればご参照いただきたい。

昨年はネット企業の実態に迫るノンフィクションを何冊も読んでいる。「Yコンビネーター」「ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り」「ジェフ・ベゾス 果てなき野望?アマゾンを創った無敵の奇才経営者」。ドラマチックだったのはダントツでTwitter創業物語。今後の未来を感じさせるのはジェフ・ベゾスの本で、勉強になるのはYコンビネーターといった印象。これらの本は時代と共に内容が陳腐化していくので興味があったら早めに読むのが良いと思う。

ビジネス

How Google Works

How Google Works

2013年に話題になった「Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか」とあわせてここ数年Google流のワークスタイルに関する本が良く出ているけれども、やはりいろいろと刺激や参考になる。さほど奇抜な事が書かれているわけではなく、でも、いろいろとしたちょっとした事がGoogle風味(Geek風味)で整理されているのが興味深い。まぁ、バスケ少年がNBA選手に憧れるように、技術者は憧れを以ってGoogleのやり方をチェックしてもいいんじゃないかと思っている。

ちなみにHow Google Worksは「スマート・クリエイティブ」という人種をいかにマネジメントする話なのだけれども、そういえば2014年の前半に読んだ「アグリゲーター 知られざる職種 5年後に主役になる働き方」も似たような話である(良書。ただし、マネジメントの立場から書かれているわけではない)。しばらくはこういったテーマの本が話題になり続けるような気がする。
そういえば「人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!」も新たな働き方(誰もがセールスパーソン)に関する本だった。この本もお勧め。

技術書

テストから見えてくる グーグルのソフトウェア開発

テストから見えてくる グーグルのソフトウェア開発

Jolt Awardsという優れたIT技術書に与えられる賞があって、2012年に受賞している本。タイトルには「テスト」と書かれているけれども、品質をどのようにマネジメントしていくか(そして、それをGoogleではどうやっていたか)が書かれているのでテスト専門家でなくても楽しく読める(というか私は楽しんだ)。

昨年はKindleセールのおかげで、割と話題のアジャイル関連書籍も読んだけれども万人にお勧めするものではない気がする(「アジャイルソフトウェア要求」「ディシプリンド・アジャイル・デリバリー エンタープライズ・アジャイル実践ガイド」「リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営」)。プロマネ系だと「なぜ、システム開発は必ずモメるのか? 49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術」は面白かったのだけれども訴訟ネタということもありメンタルダメージが心配。そういえば各界で絶賛されている「リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)」はちゃんと読みました(若手に「当然読んでるよ(ドヤ)」と言うためだけに)。

2015年どうする?

技術書類はとりあえず今読んでいる「組織パターン」を片付けたい。「Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)」及び関連図書がまだ未読なのでこれも今年中にやっつけたい。もしもKindle版がセールになれば「ソフトウェア要求 第3版」にも手を出したい。ビジネス書、ノンフィックションはその時々で流行っているもの、気になるものを適当に。文芸は膨大な読みたいリストから適当に。とはいえ、この前書店で見かけたトマス・ピンチョンの「重力の虹(新訳)」が気になっちゃっているという・・・