読書メモ。「ITエンジニアのための ビジネスアナリシス」を読み終わった。あえて誤解を恐れずにシンプルに表現すると、ソフトウェア開発の「企画」とか「超上流」と呼ばれるような領域について取り扱った本である。いろいろな可能性を持っていると思う反面、いくつか腑に落ちない部分もあった(単に自分が勉強不足なのだろう)。
「ITエンジニアのためのビジネスアナリシス」について
本書は副題が「ビジネスルールからのソリューション構築」となっている通り、ビジネスルールを中心とした分析に関する本となっている。BABOKなどが取り扱っている広義のビジネスアナリシスを扱っているわけではないという点に注意する必要がある(そもそも、BABOKに関しては記載されていない)。ただ、観点を「ビジネスルール」に絞っているので非常にわかりやすくなっているとも思う。
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上記は本書を読みながら書いたメモ。
ビジネスについて話すときはビジネスの用語を使う
本書で良いと思った点のひとつが、「IT用語や技法・方法論を使わない」という点である。
例えば「要求開発」であれば(出自や経緯の影響はあるとして)比較的早い段階から分析にUMLが登場してくる。便利だけれども、個人的にはとても嫌な点である。しかし本書ではそういったシステム臭のあるモデルは出てこないというのが好感度高い。
もちろん独特のモデルは登場してくるが、システム臭はあまりしない(戦略ダイアグラム、とかファクトモデルなど)。
疑問点:どうやって実装するか
本書で紹介されているビジネスルール中心の分析は興味深いし、実際に活用してみたいと思えるような内容なのだけれども、1点気になるのは「どうやって実装するのか」である。
- 世の中にはBRMS(BusinessRule Management System)という分野があり、定義されたルールを駆動するルールエンジンなどもある
- いろいろ事例はあるけど、「特殊なアーキテクチャ」であることは確か、かなぁ
- ルールエンジンの適用「ありき」で検討するのはちょっと違う。かといって、ビジネスアナリシスは「ビジネスルール駆動」で、その後のプロジェクトは「プロセス駆動」でといったアプローチが本当にうまくいくのかは、ちょっと疑問が残る。
実はもう一冊、同じ著者の書いた「アジャイル経営のためのビジネスルールマネジメント入門」を読んでいるので、これを通して読んでからまた考えてみたい。