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勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

SEC Jounalを読む(No.32)

表題の通りだけれども、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)さんの定期刊行物であるSEC Jounalの読書メモ。せっかくなのでちゃんとログを残すことにしてみる。

[巻頭言]俯瞰的視点から世界のリ・デザインを

「多様な物の交流に基づくイノベーションの推進」に関する提言といった内容。「多様性は問題解決と幸福に繋がる」というのは理解できるけれども、個人的にはあまり響かなかった。引用されている以下の研究がちょっと気になる程度。

  • HBR 2004/9:チームへの参加者の多様性が増すほど、イノベーションの価値の平均値は下がるものの、その分散がますためソリューションの一部の斬新さは高まる
  • Science 2010/10:協働により知的パフォーマンスは個人の場合よりも高まるのみならず、パフォーマンスは参加者の知能に依存しない

[所長対談]IT融合時代のクルマの役割について考える

本対談とあわせて思い出されるのは、先日のデブサミ2013での以下の発表である。

クルマを情報HUBにするというのはちょっと面白そう。

[技術解説]ソフトウェア組込み型デバイス製品のための機能安全活動の実践とその成果

自動車用の機能安全規格ISO 26262に関するパナソニックさんの取り組みに関する記事。この分野で仕事をしているわけではないのでななめ読みなのだけれども、非ウォーターフォール開発における品質保証の取り組みとして参考になる(自動車部品は上流で試作を繰り返すことも多く、ウォーターフォール型はなじまないとのこと)。また、システムが安全であることを第三者に説明するための「安全ケース」と呼ばれる作業成果物群(確証)の考え方も興味深い。

反復計画の単位は“ステージ”と呼ばれ、必要な複数のプロセスを、入出力成果物を考慮して組み合わせ、1~数週間の計画を作成し、そのステージで実施する作業の到達目標とその品質目標を設定する

[論文]プロジェクトコミュニケーション管理プロセスの適用評価

プロジェクト内部のコミュニケーション状況を分析・改善するためのフレームワークのようなもので、とても興味深い。自己プロジェクトの状況評価などにもすぐに使えそう。

  • プロジェクト内で行われるコミュニケーションを4つのモード「協働」「自律」「内省」「状況」+それぞれの詳細レベルに分割する。
  • アンケートなどによって、各モードのコミュニケーション状況をレーダーチャートに可視化
  • 結果を分析して、プロジェクトコミュニケーションの改善を図る
    • 例えば「内省」に関するコミュニケーションが不足している状況を「個人が目先の活動に振り回され,冷静に状況を理解し,反省しきれていない可能性」と捉えて、PMのコミュニケーションの仕方を変えたり

ちょっと面白く、詳細をまた再考してみたい内容。

[エンプラ]共通フレーム2013概説

そういえば、出版されたばかりの共通フレーム2013を購入したにも関わらず、まだぜんぜん見れていない orz...

拡張された企画フェーズについて別途読み込む予定。
個人的には、共通フレームはもっと流行っていいと思っています。オレオレ標準化するのではなく。

[統合]コンシューマ・デバイスを対象としたディペンダビリティ保証への取り組み

専門外なので流し読み。ここで言うディペンダビリティとは、「信頼性性能,保全性性能及び保全支援能力を記述するために用いられる包括的な用語」とのこと。自動車向けの機能安全規格ISO 26262をベースに、より一般的なコンシューマ・デバイスの品質保証に関するフレームを検討するような話と理解。

[組込み]ESQR導入事例紹介

ESQRとは組込みソフトウェア開発向け品質作り込みガイドのこと。専門外なので流し読み。上流工程における品質指標(「設計書ボリューム率」など)は興味深いので、いつかちゃんと調べてみたい。

組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め [バグ管理手法編]の紹介

一般論なので流し読み。記載している内容は組込みに特化しないバグ管理手法の話になっているような気がしている。

[連載]情報システムの障害状況 2012年後半データ

2012年7月から12月までの2012年後半(半年分)の情報システムの障害状況を報告する。この間に報道された情報システムの障害は合計19件、月平均3.2件となり、これまでより増加した。我々の社会経済活動になくてはならないシステムにおいて事故が相次いでおり、類似事故の発生抑止策などに繋げるために、報道事故事例を踏まえ考察する。

胸が痛むネタ。

  • 通信系が9 件、金融・決済系が5 件、運輸系が2 件、その他が3 件
  • 特に「システム更改時の移行」をピックアップした考察あり。実弾のリストを見ながらだと、その重要性が改めて思い知らされる

[地域]高度専門留学生の育成と日本企業への輩出

興味外だったのでパス。

[コラム]これからの社会

興味外だったのでパス。

BOOK REVIEW

紹介されているこの本は面白そう。2004年刊行とのこと。未読。残念ながら絶版だけど、古書か公立図書館を探せば読めそう。

ソフトウェア最前線―日本の情報サービス産業界に革新をもたらす7つの真実

ソフトウェア最前線―日本の情報サービス産業界に革新をもたらす7つの真実

SEC 設立直前に発行された本書のサブテーマは、「日本の情報サービス産業界に革新をもたらす7つの真実」であり、その7つについて言及している。
真実1:世界はソフトウェアに依存している
真実2:このままでは日本のソフトウェアはダメになる
真実3:ソフトウェア工学で問題がすべて解決するわけでない
真実4:ウォーターフォール・モデルはソフトウェア開発に適していない
真実5:優秀な人が優秀なソフトウェアをつくる
真実6:ソフトウェアの天才は身近なところにいる
真実7:ソフトウェア産業を育てるのはユーザである