勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

「やさしくわかるBABOK」読書会#3に参加した

読書会の参加メモ。昨年後半くらいからビジネスモデルとそれを取り巻く知識領域に興味を持っている。というわけで表題の「やさしくわかるBABOK」読書会にも継続的に参加している。2013/2/27に都内某所で行われたもの。読書会ということでセミナー形式で知識を得るというよりは、参加者間で議論を重ねてBABOKとは何かについて擦り合わせるようなスタイルである。参加者は12~13名くらい。なお以下の記載はあくまでメモであり、正しいBABOKの理解を記述している保証はまったく無い事に留意いただきたい。

これまでの「やさしくわかるBABOK」勉強会

そういえばこの勉強会についてブログに書くのは初めてなので、これまでの流れをざっと整理しておく。

  • 参加者はIT企業のエンジニアが中心。ビジネスアナリストとして仕事をしているヒトは参加していない
  • 読書会 第1回
    • 対象は 『第8章 基礎コンピテンシ』
    • 読書をしながら2グループで疑問点を模造紙に書き出し「ビジネスアナリストとは」というテーマ盛り上がった(おぼろげな記憶)

instagr.am

  • 読書会 第2回
    • 対象は『第2章 エンタープライズアナリシス』
    • 人数が少なかったのでホワイトボードを前にしてディスカッションする形(おぼろげな記憶)
    • BABOKが想定している企業(中規模以上からグローバル企業くらい?)である、というイメージがなかなか持てずに困惑する参加者……

instagr.am

上記を踏まえて、今回は『第7章 ビジネスアナリシスの計画とモニタリング』を料理することになっていた。

『第7章 ビジネスアナリシスの計画とモニタリング』

読書会の会場には30分遅刻して到着。いきなり全員が黙黙と読書している。

その後は2チームに分かれて疑問点や感じたことに関する情報交換を実施。

その後、各チームでどんなことを話したのかを発表して、全体ブレストに突入。
以下、面白かった議論などに関するメモ(ただしうろ覚えなので実際の発言内容と異なるかもしれない)。

BABOKとPMBOKITILなどの対象スコープ

  • ビジネス > (PMBOKで言う)プログラム > プロジェクト or ルーチンワーク(定常業務) という関係
  • PMBOKなどの類でわれわれがイメージするのはあくまで有期の活動。これに対してBABOKはもっと長大な時間軸を想定している
    • 企業のライフサイクルを考える。100年続く企業のイメージ
    • BABOKの扱っているエリアは、プロジェクトのように確固たる「はじまり」も「終わり」も無い

計画駆動型 VS 変化駆動型とは何か?

  • エンジニアなので、変化駆動型=アジャイル開発をイメージしてしまうけれども、ちょっと違うのではないか
    • あくまでお題が「ビジネス」なので変化駆動といってもRUPのようなPDCAサイクルをイメージすれば良いのかも

インセプションデッキとBAの関係

  • インセプションデッキでやることとあまり変わりないような印象がある
    • BAはビジネス企画などの「あるある集」でもあるので包含されているのは当然なのかもしれない
    • ちゃんと点検して違いを明確にすると面白いかも!

リーンとBAの違い

  • リーンスタートアップとBAの違いはなんだろう
    • (自信ないけど)リーンスタートアップは真に仮説実験志向な気がする。仮説を中心に世界を組み立てていく。
    • BAは(変化駆動にしたとしても)もう少し対象ビジネス全体を捉えてから反復的やっていくものではないか。

SEにとってのBABOK

  • BABOKはSEさんが上流に上がっていくために学ぶものなのか?
    • SEは結局はビジネスをオペレーションにまで落とし込まないと商売が成り立たない。オペレーションから始まってボトムアップに上流に手を伸ばしていく感じ。
    • BAはビジネスの意思決定を合理的かつ計画的に落としこんでいくものに見える。トップダウン
    • 上から落とすか、下から手を伸ばすかの違いのような。


毎回のことだけれども、BABOKを学んでいるというよりはBABOKを肴にいろいろな情報を交換するという形である。個人的にはこれも学びの一つのスタイルなのだと考えてけっこう楽しんでいる。
他にもいろいろな話題があがっていたけれども、この後の懇親会の酒が全てを洗い流してしまった感じ。