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勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

ソフトウェア開発と緊急治療室、「コード・ブルー」を読んで

レジデント初期研修用資料」という医療系のブログをかなり前から購読している。はてなブックマークのコメントなどを見ても、エンジニアからそれなりに支持を得ているよう。プロジェクトマネジメント観点で共感することが多数ある。ソフトウェア開発のマネジメントを考えるときに医療の分野は参考になることが多い(逆に参考にしちゃだめなのは製造業)。

プロジェクトマネジメントにおけるもう一つの興味深い実例は、病院の緊急治療室です。(中略)医療環境、特に外科的処置を必要とする状況は、チームワークの必要な作業、ストレスの高い意思決定、多くの人々に与える成果物といったものを比較する素晴らしい題材となります。
アート・オブ・プロジェクトマネジメント

コード・ブルー―外科研修医救急コール

コード・ブルー―外科研修医救急コールは、アート・オブ・プロジェクトマネジメントでも参考図書として紹介されていて前から気になっていたのだけれども、やっと手に取ることができた本。本書が全部、というわけでは無いけれど、ソフトウェア開発者やマネージャーの立場で考えることの多い本だ。

私たちは、医学が知識と処置という整然たる分野だと思っている。しかし、実はそうではない。医学は不完全な科学だ。刻々と変化する知識と不確かな情報に左右され、誤りから免れない人々が行う手作業であり、危険と隣り合わせのものである。
コード・ブルー―外科研修医救急コール

ソフトウェア開発の現場は、一見すると先端技術と最新のコンピュータに囲まれた『科学と技術の世界』のように見えるが、実際にはとても泥臭い世界だ(IT土方と揶揄されることからも分かる通り)。医療の世界での失敗は直ちにヒトの死に繋がってしまうという意味ではシリアス度合いは異なるが、ソフトウェア開発でも些細な失敗がプロジェクトもしくはビジネスそのものをご臨終にしてしまうこともある。

以下、本書を読みながら『似ているなぁ』と思ったこと。

  • 技術の進歩が早い(学んだ知識ははしから時代遅れになっていく)
  • 先端の知識・ツールを学ぶ時間を現場では取りにくい
  • 上達するのに練習は欠かせない
  • (実践的な)練習は、実際の案件を通してやることになる
  • 知識を利用し損なってトラブルになる
  • 結局はコミュニケーションの問題
  • 「正しい方法(銀の弾丸)」は無い
  • 意思決定が遅れるとダメージが広がる
  • かといって、問題の根だと思っていたところは実は問題ではなく、些細な誤りを解決すると正常化してしまう

本書についてはここからまえがきが読めるので興味があれば見てみると良い。