勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

Project Management

IPA/SEC「ソフトウェア開発データが語るメッセージ2015」を読む

IPA/SECさんではソフトウェア開発に関するデータ収集を行っており、その結果は毎年公表される「ソフトウェア開発データ白書」に反映されている。ソフトウェア開発プロジェクトの見積りや品質管理でいろいろ活用できて便利なデータ集であるけれども、なかなか…

Visual Basicとドメインモデル貧血症とその他の影響

重い腰を上げて、実践ドメイン駆動設計を読み始めているのだけれども、第1章でVisual BasicがDis(?)られていて面白かったのでそのメモ。なお該当箇所はGoogleブックスで立ち読みできるようなので興味があれば以下リンクから該当箇所を読んでみると良いと思う…

情報システムの障害状況(2015年前半)あるいは検死解剖

SEC Journal42号で2015年前半の情報システム障害状況まとめが公開されたので読んでみる記事。残念ながら多くの障害事例は詳細が不明という残念な状況でもある。メメント・モリ。 SEC journal:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 メメント・モリ作者:藤原 新…

ユーザーストーリーテンプレートゾンビ

書籍「ユーザーストーリーマッピング」を読んでいたら、テンプレートゾンビの話が出てきて面白かった。テンプレートゾンビは、デマルコの「アドレナリンジャンキー」に登場するソフトウェア開発のアンチパターンのひとつだ。というわけでデマルコ本を再読し…

コード行数のインフォグラフィックが面白い

いろいろなソフトウェアに関するコード行数について興味を持っていて、さまざまな書籍やWebから拾い読んだ情報をまとめている。ひょんなことからコード行数のインフォグラフィックを見つけたのでご紹介。 Million Lines of Code — Information is Beautiful …

Googleマネジメントの元ネタでもあるインテル経営の本を読んだ

ちょっと前に目に付いた「1 on 1 で 何を話すのか? マネージャ/ソフトウェアエンジニアの立場から」というブログ記事で紹介されていた「インテル経営の秘密―世界最強企業を創ったマネジメント哲学」を読んだメモ。かなり以前から気になっていたのだけれども…

ITエンジニアの業務時間外の学習

時間外学習に関するブログ記事をタイムラインで目にして考えたこと。ちなみに業務時間外に学習するかどうかは趣味の問題だと思っている。 業務時間外で勉強をしなければいけない理由:101回死んだエンジニア:エンジニアライフ 業務時間外の勉強が必須なんて…

要件定義の工数の見積もり

いつか読もうと思っていた名著「ソフトウェア要求 第3版」をやっと通読し終わった。高価(定価が7000円超)なのがネックだけど要件定義のバイブルとしてはいい感じ。いろいろな論点があるのだけれども、要件定義の工数見積もりについての言及が興味深かったの…

ソフトウェア要求 第3版は何が変わったのか

いつか読もうと思っていた名著「ソフトウェア要求 第3版」を読んでゐる。割といろんな人から「この本は良い本だ」という話を聞くのだけれども、皆が読んでいるのはだいたい第2版だ。10年を経て更新された第3版は何が変わったのかというのは実は明確ではない…

ユースケースとユーザーストーリー

いつか読もうと思っていた名著「ソフトウェア要求 第3版」を読んでゐる。ユースケースとユーザーストーリーについての説明がすごい腑に落ちたので勢い余って書き付けるもの。アジャイル開発プロセスとユースケースの関係について。 ソフトウェア要求 第3版に…

ソフトウェア顧客の要求に関する権利宣言と責任宣言

いつか読もうと思っていた名著「ソフトウェア要求 第3版」を読んでゐる(例によってKindleのセールで購入。なお現在はほぼ定価に戻ってるので注意) 以前にこのブログで言及したソフトウェア顧客の権利と義務についての章を読んだのでその雑感と関連思考につ…

分散スクラム実用ガイドについて調べてみた

物理的に離れた拠点でアジャイル開発プロセスを実施すること、についてちょっと調べた際のメモ。なお、本によっては「スクラム オブ スクラムでやれば問題ない」といった乱暴な説明もあったのだが、そういった精神論はとりあえず無視。 ディシプリンド・アジ…

続:金融アプリサンプルでよちよちDDDを学ぶ

オンライントレードのサンプルシステムでDDDを学ぶという海外ブログ記事を読みながら、よちよち学習する話の続き。今回も参考情報をなぞっているだけなので、あまり役に立つ記事にはなっていない。前回記事はこちら。 金融アプリサンプルでよちよちDDDを学ぶ…

金融アプリサンプルでよちよちDDDを学ぶ

InfoQで「ドメイン駆動設計とは - 金融取引アプリケーションを例に」という記事が公開されていたのだけれど、これだけではさっぱり分からない。というわけで元記事をたどっていろいろと学んでみようと思う。学習記録なので、内容についてはまったく自信はご…

システム運用のメトリクスに関する研究報告読んだ

IPAの「情報システム運用時の定量的信頼性向上方法に関する調査報告書」(長いよ!)をナナメ読みした感想。システム運用について議論するときに網羅的で良い気がする。ITIL2011、ISO2000、JISA運用プロセス管理指標、JUASシステムの評価指標、IPA/SEC非機能…

IT人材白書2015ナナメ読み

無料だし、自分が属する業界に関する分析記事なので読んだのだ。「自分の仕事を憎むには、人生はあまりにも短い(ジョエル・スポルスキ)」だからこそ。 http://www.ipa.go.jp/about/press/20150422_1.html IPAが「IT人材白書2015」を発行。国内のIT系人材は…

WFとアジャイルと超高速開発・・・

ソフトウェアの開発プロセスの比較記事?を読んだ感想というかメモ書き。なお詳細が書かれていると思われる「ユーザー企業ソフトウェアメトリックス調査2015」は未刊行なので、うわべを見ての野次馬コメント。 ウォーターフォールとアジャイル開発はどちらが…

夜間バッチレスシステムに関する中途半端な覚え書き

2014年後半からAWSの事例で、東急ハンズさんが「夜間バッチレス」というキーワードを話されている。このキーワードがアタマに引っかかってモヤモヤするのでいろいろ調べたり整理してみたことを吐き出してみる記事。なお実際に本腰を入れて検討したわけでもな…

ITアーキテクチャの定義

以前「ITアーキテクトとは何か」という生煮えの頭の体操のような記事を公開したのだけれども、いただいた意見の中になるほどというものがあった。『「ITアーキテクト」という職種がエンジニアの上位職種みたいに定義されるからおかしいことになる。ITアーキ…

スケジュールの基本公式

開発スケジュールは人月の立方根に比例するという話。 つまりプロジェクトの全期間の長さは、それにかける必要工数の1/3乗におよそ比例する。この式によれば、たとえば00人月の工数がかかるプロジェクトでは、 2.50 * (100^0.33) = 11.6ヶ月 かかるだろう、…

設計レビューは間違いだらけか?

書籍「間違いだらけの設計レビュー」を読んだ感想と、その後に調べたり整理したことについてのメモ。設計レビューは間違いだらけではないと思うけれども、非効率な作業になっていることが多い。専任レビューアー、専任レビューイーという役割は基本的にない…

ITアーキテクトとは何か

割と身近なところで頻繁に「ITアーキテクト」という単語か飛び交っていて、もやもやしたので情報を整理しながら書く記事。オチはない予定。 photo by SantiMB.Photos ITアーキテクトの定義 例えばIPAの共通キャリア・スキルフレームワークでの(システムアー…

ググルナカス / 仕事とサーチ

もうそうもうそう。書籍「ディシプリンド・アジャイル・デリバリー エンタープライズ・アジャイル実践ガイド」を読んでいたらケーススタディの中で面白い会話があった。ある作業の方法が分からないので検索エンジンでリサーチをするかどうか、チームメンバー…

海賊船のリーダーシップ

リーダーシップに関する話。自分の理想に近いリーダーシップがあって、常にそこに近づきたいと考えている。実際に近づけているのかはわからないけれども。 photo by Joriel "Joz" Jimenezテストから見えてくるグーグルのソフトウェア開発作者:ジェームズ A …

ソフトウェア犬小屋とビル建築

ソフトウェア開発におけるメタファーの話。某所でイケていないソフトウェア開発のことを「犬小屋づくり」に例えている文章を読んだ。わりと昔から目にする例えなんだけど、現在もその通りに使えるのかというと微妙だと考えた事。 photo by ClicPhoto Studio …

JSTQBシラバスを情報共有の道具に使えないか考えた

某MLで「チームメンバーにテストの勉強をしてもらうにはISTQBのシラバスがいい」という話を聞いた。ISTQBはソフトウェア・テストに関する国際的な資格認定団体のことである。もちろん英語なのだけれども、日本ではJSTQBという団体が翻訳や日本語情報を発信し…

書籍『「納品」をなくせばうまくいく』を読んだ

遅ればせながら書籍『「納品」をなくせばうまくいく』を読んだので考えた妄想について書く。Kindle版を割と前にセールで購入してたのだが、いろいろと他の本を読むのに忙しくて後回しになってしまった。電子積読は難しい(あと4冊くらい積んでるけど)「納品…

IT訴訟 徹底解説を読んだ(続き)

以前に書いた記事の続き。自発的罰ゲーム。以前に記事を書いてから、2編の連載記事が公開されたので引続き胸の痛みに耐えながら読んだ感想など。なお、残念ながらこういった訴訟に関わる経験はなし。 IT訴訟 徹底解説を読んだ - 勘と経験と読経 photo by lok…

共通フレーム2013のKindle版が発売された模様

ソフトウェア開発に関わる利害関係者に共通のモノサシとして作成されたガイドラインである「共通フレーム2013」のKindle版が発売された模様。わりと批判されるSIerという業態や、ウォーターフォール型開発の臭いがするので敬遠されがちだけれども、個人的に…

価値創造と契約

XP祭り2014というイベントで発表された「俺の価値創造契約」というスライドが話題になっている。株式会社永和情報システムマネジメントさんが行っているソフトウェア開発の新しい契約形態が苦戦しているという話。いくつかの関連記事を読んで思ったこと。 俺…